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2018年9月25日

3次元画像コンファレンス2018 参加報告

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◆ 3次元画像コンファレンス2018
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中村 孝雅 (北海道大学)
 3次元画像コンファレンス2018は2018年7月5日,6日の2日間にわたり,北
海道大学フロンティア応用科学研究棟にて開催された.今年で26回目を迎える本
コンファレンスには,3次元画像の入力・表示・処理・通信や立体視,また社会的
側面からの3次元画像の応用についての研究発表や議論の場として,様々な分野の
研究者が一堂に会した.
 招待講演では,北海道大学の土橋宜典先生が「コンピューターグラフィックスの
基礎と応用」と題して,これまでのCG研究の発展およびリアリティの追及や利便
性の向上といった研究の取り組みについて発表された.北海道大学の繁富(栗林)香
織先生は「折紙工学の最前線 -折り紙の折りたたみ技術による 3D 立体構造組織の
作製-」と題して,医療・生物分野における折り紙の折り畳み技術の応用について
の研究を発表された.NTTの木全英明先生は「ありのままではない映像表現 -ス
ポーツ体験を拡張する VR 技術の研究開発-」と題して,VRを用いたトレーニング
やスポーツ観戦やイベントにおいて,シーンの一部を強調するような“ありのまま
でない”映像表現の有効性についての研究成果を発表された.
 一般講演では講演20件,ポスター発表11件の計31件の発表が行われた.ホロ
グラフィのセッションでは,千葉大学から実シーンにおけるホログラム計算高速化
の手法が示された.背景差分を利用することで動物体のみを検出し,計算量を削減
することで約8倍の高速化を実現したことが発表された.日本電信電話株式会社
NTTメディアインテリジェンス研究所からは,深層学習におけるクラス分類の前に
教師なしの領域分割を行うことで,解像度を落とさずに3次元点郡からの物体識
別・領域抽出を実現する手法を発表された.ディスプレイ・表示のセッションでは,
名古屋大学からレイヤ型ディスプレイに必要な多視点画像を効率的に取得し,レイ
ヤパターンを最適化する手法が提案された.coded aperture cameraで撮影した数枚
の画像を入力とし,2通りのパスについて従来方途の比較結果を発表された.
 ポスターセッションでは提案法によって実際に描画されたホログラムの展示がさ
れるなど,さまざまな分野で興味深い発表がなされ大いに盛況を見せた.
 筆者はホログラフィのセッションで発表を行い,多くの建設的な意見をいただい
た.それに限らず,自分の専門分野とは異なる分野での研究や応用について多数の
発表を聴講でき,本コンファレンスが非常に有意義で貴重な経験となった.
http://www.3d-conf.org/

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