SUI 2014 参加報告
+———————————————————————-+
|◆ SUI 2014 参加報告
+———————————————————————-+
山本景子(京都工芸繊維大学)
ACM SUI 2014は,今年で2回目の開催となるSpatial Interactionに関する国際会
議である.今年は10月4,5,6日の3日間,ハワイのWaikiki Beach Marriott
Resort and Spaを会場に,ACM UIST 2014との連続開催であった.今回はPaperが18
件(採択率29%),Demo8件,Poster25件が採択され,日本からも数件採択された.
初日は,NYU Media Research LabのProf. Ken Perlinによる基調講演に始まり,
”Flat Surfaces in 3D Space”,”Spatial Gestures”,”Seeing, Walking and
Being in Spatial VEs”のセッションに続き,Hands-On Demosが行われた.また二
日目には,”Hybrid Interaction Spaces”のセッションに始まり,Poster
Presentationに続き,”Spatial Pointing and Touching”,三日目には,USC
School of Cinematic Arts Interactive Media DivisionのProf. Mark Bolasによ
る基調講演があった.この講演で特に印象深かったのは,”SUI+UIST=SUIST
(Satisfied User Interface and Software Technology)”というキーワードであっ
た.UISTとのShared Keynoteだったこともあり大勢が聴講していたが,各人に一つ
ずつ封筒が配られ,中を開くとプチプチ(気泡緩衝材)が入っており,それをつぶ
すという体験を全員一体となって共有した.大の大人がしばし時を忘れてプチプチ
を潰すという行為を実体験することで,人もコンピュータも発展し,自然なインタ
ラクションが時々刻々と変化している現在,自分の感覚・感情に目を向けることの
大切さを改めて実感した.
アワードにはBest Paper/Short Paper 各1件,Honorable Mention of Paper/
Short Paper 各1件,Best Poster 2件が選ばれた.Best Posterに選ばれた2件はい
ずれもポインティングに関する研究で,大画面ディスプレイやバーチャル空間にお
けるポインティング性能の向上にはまだまだ課題も需要も多く存在しているという
ことが実感できた.なお,筆者も発表したPoster Presentationでは,発表件数が
比較的少ないためか,セッション中に審査員グループが1件1件ポスターを回り,内
容を聞き質疑をするという丁寧な審査が行われるなど,非常に好印象で有意義なセ
ッションを終えることができた.
本会議は今年でまだ2回目ということもあり,参加者数も約90名とこじんまりし
ているが,会場となったワイキキビーチのリラックスした雰囲気とあいまって,終
始穏やかでフレンドリーな空気に包まれた会議であった.日本人参加率も他の国際
会議に比べて高い(今回は16%)と思われるので,国際会議初心者へもおすすめで
きる会議である.来年のSUIは,2015年8月にロスアンゼルスにてACM SIGGRAPH
2015との連続開催となる予定である.
http://www.dfki.de/sui2014/
この記事へコメントすることはできません