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2013年10月25日

Ubicomp2013 参加報告

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|◆ Ubicomp2013 参加報告
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 西村綾乃(お茶の水女子大学)

 2013年9月8日から12日までの5日間(ワークショップ含む)スイス・チューリッ
ヒにてUbicomp2013が開催された.今年,UbicompとPervasiveの両学会がいわゆる
“結婚式”を挙げ,統合されることになった.更に,今回はISWCとの合同開催であ
り,Ubicompがテーマとするユビキタスコンピューティングの分野だけではなく,
ウェアラブルコンピューティング分野の発表を聞くことも可能だった.
 本年度の事前登録者は700名以上にのぼり,会場のキャパシティを越えたため,9
月5日の時点で登録が打ち切られている.また,論文投稿数は394件(Full 305,
Note 89),その内,採択された論文は92件(Full 75, Note 17)であった.採択率は
23.4%であり,昨年度(19.3%)と比べて4%程増加している.
 本会議では,口頭発表が3日間かけて4部屋で平行して行われた.特に筆者の興味
を惹いたのは,ISWC:Ins and Outsセッションで発表されていた,目の動きによる
入力インターフェース「Conductive Rubber Electrodes for Earphone-Based Eye
Gesture Input Interface」である.また,1日目にビデオセッション及びデモセッ
ション,2日目及び3日目の昼食時にポスターセッションが開かれ,筆者も
「conteXinger:A Context-aware Song Generator」という題目で,生活の様々なコ
ンテクストから歌詞を生成してVOCALOIDが歌うシステムをポスター発表し,各国の
研究者の方から大変有益な意見を頂くことが出来た.詳しいプログラムやベスト
ペーパー受賞論文,学会の様子が撮影されたビデオはウェブ上(
http://www.ubicomp.org/ubicomp2013/ )にて閲覧することが可能である.
 招待講演では,Markus Gross氏(ETH Zurich and Disney Research Zurich)か
ら「Creating the Magic with Information Technology」という題目でディズニー
の3D技術などの紹介があり,また,Thad Starner氏(Georgia Institute of
Technology and Google Labs)から「Wearable Computing: Through the Looking
Glass」という題目でGoogle Glassについての講演が行われ,参加者の興味を大い
に惹いた.
 クロージングでは2015年に大阪で開催されることが発表され,招致活動を進めて
いた日本の研究者らが,東京オリンピック招致が決定した時のような盛り上がりを
見せた.また,参加者へのお土産として”Ubicomp”ロゴが入ったビクトリノックス
のアーミーナイフが配布され,開催中はスイスチョコレートが常にエントランス
ホールに配置されており,参加者は皆,笑顔でそれらを口に運んでいた.
 次回は,2014年9月13日から17日にかけてアメリカ・シアトルにて開催予定であ
る.
http://www.ubicomp.org/ubicomp2014/

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