第26回大会長報告
大会長 野間春生, 木村朝子(立命館大学)
“今年は会いたい!” 第26回大会はこれを目標として企画・運営を進めて参りました。まずは多様な形で御参加頂けた皆様にお礼を申し上げます。
遡ること仙台での第23回大会の折に非公式に第“25”回大会の打診を頂きました。そこから足かけ四年間、実行委員の皆さんと多くの時間をかけて、今回のオンライン形式の大会に至りました。詳しい報告は学会誌の大会特集号に譲るとして、大枠で報告いたしますと、参加総数691名,発表総数285件と,いずれも過去最大規模の大会となりました。これはVRという分野がいよいよ実用期を迎えて,多くの皆様の興味のもとで規模を広げてこられたこと,そして,COVID-19対応とはいえ,オンライン大会という新しい形が参加しやすい環境をもたらしたのだと考えています。また,昨年の緊急オンライン大会の経験を生かした多くの実行委員の皆さんの活躍で,今年の規模とタスクを適切に見積もり,現状で使える技術を投入出来ました。そして,何よりも参加者の皆様がこの困難の中で,最大限のご支援を頂けた結果であると思っております。
一方で、オンラインであることに起因する課題も多く見つかりました。VR研究の華とも言える展示発表はどうしてももどかしい形となってしまいます。経費についても見積もりが大変難しく、参加の“しやすさ”と“しにくさ”の間、そして新しい経費の見積もりの結果、巧くバランスを取ることがかないませんでした。参加者同士の交流でも、オンライン化によって質疑や議論を活発に引き出すことに成功した反面、対面とは異なるオンラインの特性からか、ヒートアップして行き違いと不具合が生じたとの報告も受けています。このあたりは、発言者,参加者だけでなく,座長,ファシリテータも建設的な議論の舵取りのために重要な役割を果たしていく必要性を強く感じました。これらは新しい課題として今後の大会運営にフィードバックしていく所存です。
足かけ4年の難題続きの長丁場でしたが,ようやく研究室に保管してありまして大会の小道具の入った大きな段ボール箱を札幌に送付しました。来年の大会はおそらくCOVID-19も落ち着き,北海道の地で “今年は会えた!” と皆様とジョッキを交わせることを祈っております。