HOME » 学会参加報告 » ICAT-EGVE 2018 参加報告
2018年12月26日

ICAT-EGVE 2018 参加報告

松本 啓吾(東京大学)

 ICAT-EGVE 2018は,今年で28回目となる人工現実感とテレイグジスタンスに関する国際会議と今年で23回目となるEurographicsの仮想環境シンポジウムが合体し,開催された会議である.2018年11月7日から9日の3日間,キプロスのリソマール近郊のSt. Raphael Resortで開催された.

 発表件数はPaper 27件(内short paper 6件,採択率47%)であり,Demo 4件,Poster 5件であった.

 会議を全体で三つのKeynoteが行われた.一つ目のKeynoteでは,University of Geneva & Nanyang Technological UniversityのNadia Magnenat Thalmann氏が”Mixed Populated Reality”と題した講演を行い,リアリスティックなバーチャルヒューマンを実現するための要素技術やThalmann氏自身を模したヒューマノイドロボット”Nadine”を用いたソーシャルインタラクションに関する研究について紹介された.

 二つ目のKeynoteでは,University of BarcelonaのMal Slater氏が”The Body”と題した講演を行い,VRを用いたセクシャルハラスメント予防教育やVRでの臨死体験,精神分析の祖であるフロイトのアバターを用いたセルフセラピー,実在したロックスターに乗り移りライブを行うなどといったアバターを用いた幅広いテーマの研究を紹介された.

 三つ目のKeynoteでは,WORLD OF TANKSやWORLD OF WARSHIPSをリリースしているオンラインゲーム企業Wargaming.netのTracy Spaight氏が“Wargaming’s museum strategy: Bring History Alive through AR & VR technology”と題した講演を行い,ユトランド沖海戦100周年記念に際して英国の王立海軍国立博物館で行ったAR展示や同国のボービントン戦車博物館で行われたタイガー戦車のMR展示などを紹介された.

 Papers及びTechnotesは,3日間でInterfaces and Interaction,Avatars and Movement,Sensing and Rendering, Virtual and Haptic Displays, Clinical Applicationsの計5セッションの講演が行われた.

 Best Paperには,University of HamburgのSusanne Schmidt, Gerd Bruder, and Frank Steinickeによる“Evaluation of Generic and Content – Specific Embodied Virtual Agents as Museum Guides for Historical Exhibitions”が選ばれた.この研究は,アポロ11号の歴史について学ぶVRコンテンツのガイドとして,一般的なアバターとニール・アームストロングを模したアバターとを比較することで,コンテンツに応じたアバターを用いることでアバターへの信頼やユーザの学習効果などが向上することを示していた.

 次回のICAT-EGVEは,2019年9月11日-13日に東京大学本郷キャンパスにて第24回バーチャルリアリティ学会大会と同時開催される予定である.

http://icat-egve2018.rise.org.cy/ 

Category: 学会参加報告