＋———————————————————————-＋
◆ NBiS 2018
＋———————————————————————-＋

石田　智行（福岡工業大学）
　2018年9月5日～7日の3日間に渡り，スロバキアのコメンスキー大学でThe 21-st International Conference on Network-Based Information Systems (http://voyager.ce.fit.ac.jp/conf/nbis/2018/) が開催された．NBiSは1998年に開始されてから今年で21年目を迎える．3件のKeynoteでは，大変貴重な発表を聞くことができた．
　筆者は，毎年NBiSと同時開催される国際ワークショップInternational Workshop on Network-based Virtual Reality and Tele-existence (INVITE) にて発表を行った．INVITEは，近年の超高速ネットワーク技術やグリッドコンピューティング技術により，大規模3Dデータやビデオ映像などを用いた研究開発が世界中で盛んに行われるようになってきたことに伴い，その最新技術や動向に関する研究成果を議論するためにVRの基礎から応用までのVR全般を対象としたワークショップであり，今年で13回目の開催となる．
　今年のINVITEでは，8件の論文が採択され，活発な議論がなされた．筆者も「Proposal of a Virtual Traditional Crafting System using Head Mounted Display」というタイトルでヘッドマウントディスプレイを使用した伝統工芸システムについて発表させて頂き，多くの方々から貴重なご意見を頂戴した．
　中でも筆者が特に興味深かった発表は，岩手県立大学の土井章男教授が発表した「3D Measurement and Modeling for Gigantic Rocks at the Sea」である．この研究では，岩手県宮古市の「三王岩」と呼ばれる大きな岩をデジタルアーカイブ化しており，3次元形状復元ソフトウェアを用いて高分解能カメラ画像から点群データを生成した上で，これらの点群データを統合し，3Dモデルを構築している．ドローンを活用したデジタルアーカイブの構築は実に興味深いものであった．
　最後に，滞在期間中は天気に恵まれ，大変快適に過ごすことができた．また，Welcome Reception Partyや Banquet Partyでは，発表時間の都合上聞くことの出来なかった研究内容についてさらなる知識を深め，世界各国の研究者らと幅広い分野について交流を深めることができた．
　次回は，2019年9月5日～7日の3日間に渡り，大分大学で開催される予定である．詳細は，以下のURLを参照されたい．
http://voyager.ce.fit.ac.jp/conf/nbis/2019/