エンタテインメントコンピューティング2018 参加報告
+———————————————————————-+
◆ エンタテインメントコンピューティング2018
+———————————————————————-+
佐々木 智也(東京大学)
2018年9月13日から15日にかけて,エンターテイメントコンピューティング(EC)シンポジウム2018が電気通信大学とイオンシネマ シアタス調布で開催された.第16回目となる本年のテーマは,『街/スポーツ』.7件のロング口頭発表と28件のショート口頭発表,59件のデモ発表,および2件の招待講演が行われた.
会期中は3日間の口頭発表セッションに加え,1日目には,翌日以降に行われる全てのデモ展示の紹介をするFast Forward(30秒プレゼンテーション)セッションが行われた.2日目には,本年のテーマに合わせた「超人イベント」の特別セッションが設けられた.最終日3日目は,デモ発表の一般公開もあり,家族づれの参加者も見受けられた.
超人イベントの特別セッションでは,超人スポーツに関連した5件の作品の体験会が,体育館1階の半屋外スペースと2階の屋内スペースを使用して行われた.1階では,人を横向きに宙づりにして,重力感覚を変化させて球技を行う「Lunar G Ball(ルナジーボール)」が展示されており,多くの体験者,観戦者で盛り上がった.2階では,人工筋肉を使ったキック力増強デバイスや,ドリフト運転できる車椅子「Slide Rift(スライドリフト)」などが展示されていた.
筆者が興味深かったのは,招待講演の2件目,関西学院大学 三浦麻子氏による「人を対象とした行動学研究における再現性問題」である.エンターテイメントを評価する際に検討すべき仮説検証的要素と探索的要素の切り分けや,心理学研究分野で新しく取り組みはじめられている査読プロセスについての話など,研究活動全般に関係する貴重な内容であった.
筆者は今回が初参加で,口頭発表とデモ展示を行なった.デモ展示では多くの学生や先生,一般の方々に体験していただけた.筆者らの展示はベストデモ賞(PC推薦)およびベストビデオ賞をいただいた.シンポジウムは全体を通じて和やかで,初めてでも参加しやすい雰囲気を感じた.
次回は,九州大学 大橋キャンパスでADADA Japanとの共催で開催される予定である.
http://ec2018.entcomp.org/