HOME » 学会参加報告 » SIGGRAPH2017 展示 参加報告
2017年8月26日

SIGGRAPH2017 展示 参加報告

+———————————————————————-+

|◆ SIGGRAPH2017 展示

+———————————————————————-+

堀内 悠生(東京大学)

 今年で44回目の開催であるACM SIGGRAPH 2017が,7月30日から8月3日の5日間に

渡り開催された.本学会はComputer Graphicsと Interactive Techniquesに関する

国際会議であり,アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンにある

コンベンションセンターで行われた.近年ダウンタウンでは,再開発が進んでおり,

周囲には,Microsoftのシアターなど多くのライブ会場が立ち並び,会場の内外で

活気に溢れていた.主な企画として,technical papersの発表はもちろんの事,

poster発表,Keynote Session,Emerging technologies, Educators Forum, Art

Gallery, Art papersなどの展示があった.また,VR関連のデモ展示として,VR

VillageやVR Theaterなどがあり,たくさんの先進的なVRの体験が可能となってい

た.さらに企業展示として,IntelやNVIDIAなどの企業ブースが立ち並び,カンフ

ァレンスルームでは,exhibitor sessionsやexperience presentations, panel

discussionが行われるなど,全日大変賑わいのある学会であった.

 中でもEmerging Technologiesの展示は会期を通して開催されていて,全ての展

示で常に人の行列が絶えないほど大変盛り上がりを見せていた.今回のEmerging

Technologiesでは,29件の展示が行われており,空中映像とのインタラクション

や,触覚インタフェース,VRによる錯誤,行動誘導,テレイグジスタンスやセンシ

ングなど多岐に渡る分野での展示が行われていた.

今回のEmerging technologiesの中でAwardを獲得したのは,應義塾大学大学院メデ

ィアデザイン研究科「身体性メディア」プロジェクトの一つである,「MetaLimbs:

Multiple Arms Interaction Metamorphism」であり,これは,ユーザーに装着した2

つのロボットアームを左右それぞれの足に対応づけて,靴下型デバイスで足指の動

き,つま先と膝に取り付けた光学式マーカーで脚の動きを計測することで動かし,

複数の腕によるインタラクションはユーザーの身体認知を変化させて身体感覚を拡

張させる技術である[1].デモ展示では,実際にMetaLimbsを装着して操作し,ボ

ールを握ったり,狙った場所にボールを運んで動かすなどが行われており,多くの

人が実際に体験をしていた.

 来年のACM SIGGRAPHはカナダのVancouverで開催予定であり,8月12日から,16日

までの5日間の会期で開催予定である.

[1] http://embodiedmedia.org/project/metalimbs/より引用

Category: 学会参加報告