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2017年8月1日

APMAR 2017 参加報告

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|◆ APMAR 2017 参加報告
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前澤 桃子(慶應義塾大学)
 2017年7月2日から7月4日の3日間にわたり,Asia Pacific workshop on Mixed
and Augmented Reality 2017 (APMAR2017) が開催された.この会議は,2008年よ
り8年間続いたKorea‐Japan workshop on Mixed Reality (KJMR) を日韓からアジ
ア,そして環太平洋に領域を広げ,MRコミュニティの拡充と連携を目的とし,昨年
名前が変更された.
 APMAR2017は中国の首都北京に位置する北京理工大学で開催され,初めて日韓以
外での開催となった.22件の口頭発表(前年度: 13件)と10件のポスター発表が行
われた.参加者は70名程度で,日本,韓国,中国,台湾のほか,オーストラリアか
らの参加もあり,より一層の賑わいを見せた.
 Keynote Speechとして,ミュンヘン工科大学のNassir Navab教授がARの医療応用
についてご講演された.高性能化する近年の医療設備のインターフェースは複雑で
直感的でないものが多いため,ARを利用した直感的な表示法についてのこれまでの
取り組みが語られた.また,人体の内部などの普段は見えない部分をARにより可視
化するといった,手術や教育の現場での応用も期待できるとのこと.
 口頭発表では,学会の名の通りMR/AR分野の研究を沢山聞くことができた.Zhang
ら(奈良先端科学技術大学院大学)は,Curvelet Domainの正則化を利用して奥行
画像の欠損を復元する手法を提案した.Wangら(大阪大学)は,振戦を患う人のタ
イピングの時間や入力ミスを減らすMRシステムを提案した.
 本会議は,MR/AR分野の研究者の方々と知り合ったり,現在の研究の情報を共有
して意見交換を行ったりするのに適していると感じた.筆者にとっては今回が初め
ての国際会議であり,渡航経験がほぼないため食文化の違いも含めすべてが新鮮か
つ刺激的であった.
 次回のAPMAR2018は,4月中旬に台湾で開催予定である.
 公式サイト: http://www.bsig.org.cn/list/apmar2017home

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