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2017年4月25日

Augmented Human 2017 参加報告

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|◆ Augmented Human 2017 参加報告
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高澤和希(筑波大学)
 2017年の3月16日から18日にかけてアメリカのシリコンバレーに位置するSamsung
Research AmericaでAugmented Human (AH) 2017が開催された.本学会は今年で8
回目の開催となり,ARやVR,ユビキタスコンピューティングなどの科学技術によっ
て人間の能力を拡張することを目的した様々な研究が発表される学会である.今年
はフルペーパー19本(採択率29%),ショートペーパー16本(53%)ポスター2本,デ
モ展示4本採択され,発表が行われた.
 会期中毎日Keynote Talkがその日の最初に行われた.初日はスタンフォード大学
のGordon Wetzstein氏によるライトフィールドディスプレイについての講演.2日
目はアメリカのオリンピック委員会のMounir Zok氏によるアスリートの身体性と科
学技術についての講演.最終日はスタンフォード大学の神経科学者のDavid Eaglem
an氏による脳と科学技術についての講演. どの講演も人間の身体性の拡張へのそ
れぞれの分野からのアプローチについてで,3日間ともとても内容が濃く,引き込
まれるものだった.
 初日の夜にはレセプションとポスター発表が Computer History Museum で行わ
れ,2日目にはConference Banquetとベストペーパーなどの表彰がHakone Gardens
という日本庭園で行われた.ベストペーパーは鈴木らのDesign Method for Gushed
Light Field: Aerosol Based Aerial and Instant Displayが受賞した.この研究
ではエアロゾルスプレーをフォグディスプレイの表示媒体として使用したもので,
従来のフォグディスプレイにはなかった高い応答性と風に強いという特性を,ドロ
ーンにも搭載できる軽量な構成で実現したものである.この研究はすでに舞台演出
などで使われており,エンターテイメント分野でのこれからのさらなる活用が期待
できる.
 来年のAH2018は韓国のソウルでの開催が予定されている.冬季オリンピックの開
催時期に近いためアスリートと科学技術の融合を見ることができるかもしれない.
 http://www.ah2017.com/

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