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2017年3月28日

インタラクション 2017 参加報告

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|◆ インタラクション 2017 参加報告
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鈴木 優(宮城大学)
 2017年3月2日から4日までの3日間にわたり,東京都中野区の明治大学中野キャン
パスにて,インタラクション2017が開催された.インタラクションは1997年から毎
年開催されているヒューマンコンピュータインタラクション分野における国内最大
の学術会議であり,今回で21回目の開催となった.プログラムは主に一般講演発表
とインタラクティブ発表から構成されている.後者では実際にデモンストレーショ
ンを行うことが推奨されており,この会議の特徴となっている.
 インタラクション2017では一般講演発表に28本の論文投稿があり,厳正な審査を
経て12本が採択された(採択率43%).インタラクティブ発表ではスクリーニング
を経て204本の論文が採択され,その中でも特に優れたものがプレミアム発表とし
て44本採択された.また,参加者数は847名と例年以上に盛況を呈しており,会場
の各所で活発な議論が行われていた.
 一般講演発表からは以下の2件がペストペーパー賞に選出された.1件目は東北大
学の萩原氏らによる「モバイルカメラを用いたデバイス間アドホックアプリケーシ
ョン共有」で,ホストデバイスのアプリケーションウィンドウをモバイルデバイス
のカメラで撮影するだけで,そのアプリケーションをモバイルデバイスから操作・
実行可能にする手法CamCutterに関する発表であった.2件目は明治大学/日本学術
振興会の山中氏らによる「連結した直線経路をステアリングする動作の分析とモデ
ル化」で,経路に沿ってストロークを描く操作タスクをモデル化したステアリング
の法則の一般性を検証するために実施した3つの実験についての報告であった.
 インタラクティブ発表は3つのセッションに分かれて実施された.3日目のセッシ
ョンは無料で一般公開され,子どもを含む多くの一般の方々が来場していた.イン
タラクティブ発表には,PC委員の審査により決定されるインタラクティブ発表賞
(PC推薦)と,参加者の投票により決定されるインタラクティブ発表賞(一般投票)
があり,それぞれ9件と6件の発表が受賞した.受賞した発表のタイトル等の詳細は
インタラクション2017のウェブサイトを参照されたい.
 2日目のKeynoteでは情報通信研究機構の細川氏による「究極の計測精度を求めて
-絶対精度18桁への挑戦-」という講演が行われ,時間の計測手法やその歴史,計
測の高精度化への取り組み等が紹介され,インタラクション研究者たちを唸らせて
いた.Keynoteを含むほとんどの講演はインターネットを通じてライブ配信されて
おり,その録画映像はYouTubeの情報処理学会インタラクションシンポジウムチャ
ンネルで閲覧することができるので,それらをご覧いただくと会議の様子や雰囲気
を知ることができる.
 次回のインタラクションは2018年3月5日から7日まで,東京都千代田区の学術総
合センター・一橋講堂にて開催予定となっている.報告者はインタラクションには
学生時代から12年連続で参加しているが,聴講すれば新しい知識を得られ,発表す
ればいつも良いフィードバックを得られている.インタラクション実行委員会とプ
ログラム委員会の方々に感謝の意を表するとともに,今後もインタラクションが素
晴らしい議論の場となり,ヒューマンコンピュータインタラクション分野が更なる
発展を遂げられるように,報告者も含め多くの方で盛り上げていきたい.
http://www.interaction-ipsj.org/2017/

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