HOME » 学会参加報告 » WISS 2016 参加報告
2017年1月29日

WISS 2016 参加報告

+———————————————————————-+
|◆ WISS 2016 参加報告
+———————————————————————-+
中村 雄哉様(立命館)
 2016年12月14日から16日にかけて,滋賀県長浜市長浜ロイヤルホテルにて,WISS(Workshop o
n Interactive Systems and Software)2016が開催された.WISSは,二泊三日の泊まり込み
形式で,インタラクティブシステムにおける未来を切り拓くような新しいアイディア・技術を議論す
るワークショップである.本年度は当日に,相槌程度の発言を情報ダッシュボード形式で共有・視覚
化したシステム「わかるらんど」を運用したこと,非公式でscrapboxを用いた情報共有をしたこと
等,新しい試みが行われていた.
 WISS2016では登壇発表が26件,デモ・ポスター発表が74件あった.その中でも,プログラム委員
の投票で選ばれる最優秀論文賞とデモ発表賞,参加者の投票で選ばれる登壇発表賞とデモ発表賞があ
った.
 最優秀論文賞では,五十嵐氏らの「図形描画とテキスト入力を用いた力学に関する質問応答システ
ム」が選ばれた.この研究では,センター試験等に用いられるような物理の力学における図をインタ
ラクティブに描画できるシステムを提案・実装した.システム内では,力学で一般的に使われる図形
を自由に配置し,それらに対し値を設定し問題を作成することができる. 
 プログラム委員が選んだデモ発表賞では,杉浦氏らの「GraffitiGrass:芝生をパブリックディ
スプレイにする手法」が選ばれた.芝生の異方向性を利用した新たな情報提示手法の提案である.複
数のサーボモータを搭載した装置にイメージデータを流し,その装置を芝生に当てることで,芝生に
イメージデータ通りの模様を描画できる.
 登壇発表賞では,栗原氏らの「映像コンテンツへのIoT指向拡張プログラム埋め込みフレームワー
ク」が選ばれた.この研究は映像コンテンツに対してスクリプトを埋め込むという試みをした.例え
ばある映像ポイントでカメラのシャッターを自動で切ることで笑顔の写真を撮ろうとする試みがあ
げられた.
 参加者が選んだデモ発表賞では,中村氏らの「自由形状の竹とんぼのインタラクティブデザインシ
ステム」が選ばれた.このシステムでは,自由形状の翼を持つよく飛ぶ竹とんぼを対話的にデザイン
できる.デザインしたものをより高く長く飛ぶように最適化できる機能も提供されている. 
 招待講演として二日目に,「アナログメカの魅力~先人たちの知恵と工夫のモノづくり~」と題し
てトヨタ産業技術記念館学芸企画グループGMの木村氏から講演が行われた.蓄音機や茶運び人形等
の電力を使わない時代の機械を中心に,ものづくりにおける重要な点について参加者に伝えていた.
 次回のWISSは,八ヶ岳ロイヤルホテルにて2017年12月6日〜8日の日程で開催される.
https://www.wiss.org/WISS2016/

Category: 学会参加報告