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2016年9月26日

HCII2016参加報告

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|◆ HCII2016 参加報告
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筒井悠平(電気通信大学)
 7月17日から22日にかけて,カナダ・トロントにおいてHCII2016(Human Compute
r Interaction)が開催された.会場はオンタリオ湖に臨むThe Westin Harbour Ca
stle Hotelで,いくつかのセッションが行われる部屋からは美しいレイクビューを
眺めることができた.オンタリオ湖は日本の感覚からするとあまりにも広大で,し
ばしば湖岸のことを海岸と口走ってしまうほどだった.
 この会議は6日間に渡って行われたが,最初の3日間はチュートリアル,3日目の
夜に基調講演および懇親会,その後3日間のパラレルセッションという日程であっ
た.ACM SIGCHIアカデミーのフェローも務めるJennifer Preece氏による基調講演
では,シティズンサイエンスと,HCI研究者がそれをリードする方法についてだっ
た.シティズンサイエンスとはクラウドソーシングのひとつの形態であり,データ
の収集や解析に一般市民が関わる科学のことであると説明されていた.
 この会議は同時に行われるセッション数が非常に多かった.1日に最大19部屋で
行われるパラレルセッションが計4回,これが3日間続く.HCIというキーワードの
もとに数多くの論文が集まる会議ではあったが,細かく見ていけばその内容は多種
多様で,計219のセッション数がそれを物語っていた.しかし,これだけセッショ
ンの数が多いと,毎回どの発表を聴講しに行くか迷ってしまった.いくつかのセッ
ションをはしごすることも試みたが,部屋によっては入り口が前側にしか無く,非
常に入りにくいという場面もあった.だが,ひとつの学会で人間の特性の評価から
VR,TUIの開発,UI/UXデザインなどと幅広い分野の発表を聞ける機会はとても貴重
で,一口にHCIと言ってもその懐は非常に深いことを知り,とても良い刺激を受け
ることが出来た.また,著者らも口唇における使用を目的とした触覚ディスプレイ
の開発について発表を行ったが,質疑応答の際には自らの英語力の低さを実感して
しまった.
 また,パラレルセッションと同時にポスターセッションも行われていた.これは
ホテルの大ホールにおいてコーヒーブレイクや企業の展示と同時に行われており,
スペースが広いこともあって非常にゆったりと各ポスターを見ることが出来た.し
かし,展示時間が長くコアタイムも設けられていなかったためか,ほとんどのポス
ターの前に発表者はおらず(名刺を置いている発表などもあったが),ポスターを
見ながら質疑を行うことは出来なかった.
 次回のHCII2017(http://2017.hci.international/)は,2017年7月9日~14日に
かけてカナダ・バンクーバーにて行われる.
http://2016.hci.international/

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