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2016年4月24日

Augmented Human 2016 参加報告

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|◆ Augmented Human 2016 参加報告
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平木 剛史(東京大学)

 今年の2月25日から27日にかけて,Augmented Human(AH)2016がスイスのジュネ
ーブにおいて開催された.Augmented Humanは今年で7回目の開催となる.
 ウェアラブル / ユビキタスコンピューティング,AR,VR,超人スポーツなど,
科学技術を通じて人間の身体能力を拡張し,豊かな体験をもたらすことを目的とし
た多種多様な研究発表がなされている.フルペーパーが21件,ショートペーパーが
11件,ポスター・デモが合わせて19件採択され,それぞれセッションにて発表が行
われた.
 25日と26日の両日はジュネーブ市街のCampus Biotechにて口頭発表とポスター発
表と一部のデモ発表が行われた.27日はスキーリゾートであるSaint Francois
Longchampに場所を移して特別セッションであるAugmented Winter Sports Session
が行われ,ウィンタースポーツに関連するデモ発表が行われた.
 Keynote SpeechとしてNan-Wei Gong氏MIT Media Labの講演があった.タ
イトルはWearable, Decorative, and Invisible Computing: Opportunities and
Challengesであり,ウェアラブルコンピューティングにおける研究対象が機能や技
術といったところから日用品への適用,そしてマテリアルへの適用へと変遷してい
ると指摘した上で,自身の研究としてGoogle ATAPにて取り組まれているProject
Jacquardでの研究内容について紹介が行われた.
 また,筆者が特に注目した研究として,伊藤らのLaplacian Visionを紹介する.
本研究ではシースルータイプのHMDを用いてボールの描くであろう放物線の軌道を
物理演算により推定し,HMD映像に重畳して表示する研究であり,球技などのスポ
ーツにおける応用が期待されるものである.本研究は1stベストペーパーとして表
彰されている.
 次回のAH2017は場所をアメリカのシリコンバレーに移し,2017年3月に開催され
る予定である.
http://www.augmented-human.com/
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