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2015年9月25日

ヒューマンインタフェースシンポジウム 参加報告

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|◆ ヒューマンインタフェースシンポジウム 参加報告
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岡松孝明(大阪電気通信大学)
 ヒューマンインタフェースシンポジウム2015が2015年9月1日から9月4日にわたり,北海道の公立はこだて未来大学にて開催された.今年度で17回目を迎えた本シンポジウムは,国内のHuman InterfaceやHuman Computer Interactionに関わる研究者らが集まる会議である.今回は“イカすインタフェース”というテーマのもとに,128件の一般発表と85件の対話発表があり,さらに8件のワークショップと2件の招待講演と特別企画などが盛大に行われた.
 一般発表は2日目から4日目にかけて実施された.一般発表では,医療分野やエンタテインメント分野など幅広い分野で利用されるインタフェースやインタラクションシステムに関する研究成果の発表や,ユーザ心理や感性,認知科学に関する成果の発表,さらにはユーザビリティ評価などのインタフェースの評価方法についての提案など多岐に渡る内容であった.また質疑応答では,提案された手法における改善点の指摘や,手法を用いることによる利点や応用についてなど活発な議論がなされた.
 対話発表は2日目および3日目に行われ,実機によるデモンストレーションやポスター展示が行われた.本セッションでは,会話の頻度を記録する「万話計」(電気通信大学・赤池氏),Kinectとアニメーションを利用した運動トレーニングシステム(はこだて未来大学・塚本氏)といった,筆者が体験したくなるようなシステムが,数多く展示されていた.さらに,運動習慣を持たない人に運動習慣を獲得することを補助するシステム「てくペコ」(立命館大学・鈴木氏)といった興味深い研究も見受けられた.対話発表では,研究者らによる意見交換が活発にされており,ブースによっては多くの聴講者のため外からポスターや実機が見えないほど注目されている発表もあった.
 招待講演として,瀧田佐登子氏(Mozilla Japan)と原田康徳氏(デジタルポケット)による2件の講演が行われた.これらの講演では,未来のハードウェアやデザイン分野等についての発表と,ビジュアルプログラミング言語のビスケットを用いた大人向けワークショップの内容について発表が行われた.原田氏の講演では,聴講していた研究者の方々との議論の中で予定されていた内容だけではなく,実体験からのユニークな話を聞くことができ,非常に貴重な経験となった.
 次回のヒューマンインタフェースシンポジウム2016は,2016年9月6日から9日の4日間にわたり,東京農工大学で開催される.詳細は,以下のURLを参照していただきたい.
http://www.his.gr.jp/

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