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2014年1月24日

第5回横幹連合コンファレンス 参加報告

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|◆ 第5回横幹連合コンファレンス 参加報告
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 安藤英由樹(大阪大学)

 2013年12月21日 (土)~23日 (月) の3日間,香川県高松市にある香川大学幸町北
キャンパスにて,第5回横幹連合コンファレンスが開催された.今回のテーマは「異
分野の新結合と知の創造」~うどん県発・地域ブランド創造による地域活性化~と
開催地ならではであった. 今回初参加でそもそも何なのかを尋ねたところ,横幹
連合 (正式名称 NPO 法人「横断型基幹 科学技術研究団体連合」)とは,単独の学会
ではなく,文系理系にまたがる複数の学会が,自然科学とならぶ技術の基礎である
「基幹科学」の発展と振興をめざして団結したものであり,限りなくタテに細分化
されつつある科学技術の現実の姿に対し,「横」の軸の重要性を訴えそれを強化す
るための様々な活動を行うことを設立趣意としているということを教えて頂いた.
 また,今回のコンファレンスは,発表件数 139件,参加者数229名と先回よりも
約20%増であった.特に今回は,横幹連合が設立10周年にあたり,吉川弘之名誉会長
による記念講演「領域の統合」や獅山有邦氏基調講演「地域の現場から横幹技術の
新展開に期待する」,各学会の会長セッションなど盛りだくさんな内容であった.
 率直的な感想として,発表者は若い学生というよりもまさに先端分野の第一人者
として活動なさっておられる先生の発表(もしくは近年大学を抜けられてなおかつ
活発に活動されておられる著名な先生)が多く,非常に聴き応えがあった.ただ,
7つものパラレルセッションとなっているため,私が主に参加したのは新結合・創
造のための人材育成,ヒューマンインターフェイス/バーチャルリアリティにおける
新結合・創造などであることをあらかじめ申し上げておきたい.これらのセッショ
ンにおいても,人材育成,HI/VRに「新結合・創造」が加わることで,発表内容は単
に研究発表にとどまらず,研究者個人としての信念,思うこと,方向性などが多く
含まれており,通常の学会では聞くことができないとても有意義な内容であった.
他にも多くの発表・講演が「基幹科学」が社会的な基盤や発展を支えるために必要
な科学とした観点から,これからの日本をどうしていくべきかという視点を意識さ
れておりある意味での様々な本音を拝聴することができる大変よい機会であった.
 今回私は,都合のため参加できなかったが「うどん打ち体験」,「直島見学」な
どエクスカーションも大盛況であったようである.このコンファレンスは基幹科学
を通じて,様々な分野と関係性をメタ的に理解することができ,ある意味自分自身
の立ち位置を確認・追認するためにも大変貴重な経験となった.このような体験か
ら,もっと若い人の参加が広がっていくことが今後望まれる.
 次回の第5回横幹連合総合シンポジウムは2014年11月29日(土)~30日(日)に東
京大学 本郷キャンパスで行われる予定である.

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