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2013年11月25日

CEA2013 参加報告

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|◆ CEA2013 参加報告
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 中村裕美(明治大学)

 2013年10月21日,5th Workshop on Multimedia for Cooking and Eating
Activities(CEA2013)がスペイン・バルセロナで開催された.
 CEAは調理及び食行動における情報メディア技術に関する国際ワークショップで
ある.電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ食メディア研究
会( http://www.ccm.media.kyoto-u.ac.jp/CEA/ )が主催しており,ISM又はACM
Multimediaと同時開催されている.
 5回目となる今回ACM Multimedia 2013に併設して行われた21件の投稿に対し,
13件が登壇発表として採択された.うち3件はロング登壇,残り10件は質疑の時間
を省略したショート登壇という構成になっているが,登壇発表後にはポスターセッ
ションが用意されており,そこで十分な質疑を交わすことが出来る.
 発表される研究は調理時の動作の識別手法,調理動画の自動オーサリング手法,
画像からの食材分量推定など画像認識,行動認識などの認識系技術や,文章構造の
解析手法を調理やレシピ構築に活用する手法が多く見受けられた. とはいえ,7自
由度力覚ディスプレイSPIDAR-Gを用いた調理シミュレーションに関する発表も盛況
を博していたことから,今後VR技術を活用した食メディアシステムも多く発表され
ていくのではないかと感じている.
 招待講演はAmelie Cordier氏(LIRIS)による「Cooking with Computers, a
winning recipe!」である.指定食材を使わないレシピ検索「Taaable」
( http://intoweb.loria.fr/taaable3ccc/ )など氏が開発したシステムの紹介のほ
か,それらシステムを発表した調理・レシピ支援システム向けコンペティションの
紹介もなされた.食や料理はまだ一大研究分野となりえていないが,年々注目を集
めつつあると感じることが出来た.
 懇親会は,地元でも評判のスペイン料理店にて昼食と会議終了後の夕食の二度に
わたり行われた.懇親し過ぎに見えるかもしれないが,「食」分野は共に食べる食
事の分析も研究の一分野である.料理は筆舌に尽くしがたい美味しさであった.
 来年の開催は現在未定であるが,例年と同じくワークショップ形式での開催とな
る予定との事である.今年筆者らは若干異色のようであったが「Controlling
Saltiness without Salt: Evaluation of Taste Change by Applying and
Releasing Cathodal Current」というタイトルで陰極刺激を用いた塩味味覚感度制
御手法について発表し,Best Paper Awardを受賞した.VR分野で食や料理に関連す
るトピックを研究されている方は,ぜひ食メディア研究会HPの更新に注目していた
だきたい.
http://www.mm.media.kyoto-u.ac.jp/CEA2013/

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