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2013年10月25日

ISMAR2013 参加報告

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|◆ ISMAR2013 参加報告
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 冨岡誠(大阪大学)

 2013年10月1日~4日にかけ,ISMAR2013(12th International Symposium on
Mixed and Augmented Reality, URL: http://ismar.vgtc.org/ )がオーストラリ
アのアデレードで開催された.Science & TechnologyとArts, Media & Humanities
の部門があり,著者の投稿した前者の部門においては,本年度の論文投稿件数は
103件でこのうち26件が採用され,採択率は25.2%であったとのことだ.
 初日にワークショップとチュートリアルがあり,その後の3日間で2本の基調講
演,33本の口頭発表.30本のポスター発表,25本のデモ発表が行われた.口頭発表
は全てシングルセッションで行われ,各セッションの前にはARを用いた芸術に関す
る5分間のプレゼンテーションもあった.また,各自で議題を決めてディスカッ
ションを行うBOFセッションもあり,活発な意見交換が行われた.2日目のレセプ
ション後には,会場の南オーストラリア大学に所属するMagic Vision Labの見学・
デモが行われた.
 基調講演は,Walt Disney CompanyのIvan Poupyrev氏による”Not Just
Augmentation: How to Re-Mark the World”と,SONY CSLの暦本純氏による”From
Augmented Reality to Augmented Human”であった.暦本氏のHappiness Counter
は,笑顔が人の感情に幸せを重畳することも拡張現実感の一つとみなし,日常生活
の中で積極的に笑顔をつくる事を促進することを目指した研究である.デモ映像中
に被験者が笑顔になると会場から笑いが沸き起こっていたのが印象的であった.
 アワードは,ペーパーに関してBest Paper Award1件とHonorable Mention2件,
ポスターも同様にBest Poster Award1件とHonorable Mention2件が選ばれた.デモ
は参加者の投票によりTechnical Achievement とUser Experience に関してそれぞ
れ1件ずつ選ばれた.
 Best Paper AwardにはSRI InternationalのOskiper氏らによる”Augmented
Reality Binoculars”が選ばれた.この研究では,双眼鏡で覗いた遠距離風景への
安定した拡張現実感を実現した.日本からはBest Poster – Honorable Mentionに
奈良先端大の河合氏の”Diminished Reality Considering Background
Structures”が選ばれた.これまで隠消現実感においては背景が単一の平面である
と仮定している場合が多いのに対し,複数の平面を仮定することでより複雑な環境
においてもより自然に隠蔽することのできる手法であった.
 次回のISMAR2014は,ドイツのミュンヘンにて2014年9月9日~12日の4日間,開催
予定である.
http://ismar.vgtc.org/

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