LIFE2013 参加報告
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|◆ LIFE2013 参加報告
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檜山敦(東京大学)
日本機械学会・日本生活支援工学会・ライフサポート学会が共同主催する生活生
命支援医療福祉工学系学会連合大会(LIFE2013)が2013年9月2日から4日までの3日
間,山梨大学にて開催された.LIFE2013では,9月3日に特別企画として,科学技術
振興機構の後援による特別オーガナイズドセッション「高齢社会を豊かにする科学
・技術・システムの創成」が開催された.本セッションは,科学技術振興機構が推
進している戦略的イノベーション創出推進事業の同名の研究開発テーマのアウトリ
ーチ的役割を担っており,大会参加者のみならず一般の方も来場可能であった.こ
の事業は,研究機関と民間企業との産学連携事業である.同事業のプログラムオフ
ィサーである本学会会長の伊福部先生より,事業概要と4つの研究課題の紹介の後,
今回は各研究課題の研究機関側のリーダ4名が研究開発課題の進捗を発表した.順
番に,国立障害者リハビリテーションセンター研究所の井上剛伸氏からは,NECが
開発するロボット,パペロを用いた高齢者の認知機能支援に関する研究開発,東
京農工大学の永井正夫先生からは,トヨタ自動車と共同開発を行っている高齢者の
ドライビングアシスト技術の研究開発,東京大学の廣瀬通孝先生からは,元気高齢
者の就労を支援するクラウドコンピューティング・クラウドソーシング技術の研究
開発,そして,北海道大学の田中孝之先生からは,高齢者の身体動作をアシストす
るウェアラブル軽労化技術に関する研究開発についてそれぞれ報告がなされた.各
研究グループからの研究発表の後には,発表者と伊福部先生を交えたパネルディス
カッションが東京大学高齢社会総合研究機構の鎌田実先生のモデレーションにより
展開した.ディスカッションは会場を交えて白熱し,合計最長10年間に及ぶ本事業
のスキームに対する捉え方,現実のビジネス展開へ向けた社会実装の難しさと,そ
の事業の評価方法に聴衆の関心が集まっていた.科学技術振興機構にとっても本事
業は,新規技術の達成を評価することにとどまらず新規産業として社会に展開可能
かを評価することになる.我が国にとって本事業のテーマは喫緊の課題であること
に加え,チャレンジングな達成目標が課されていることから,会場からは各研究開
発チームが思い切った社会実証実験の展開が行いやすいように,支援と配慮を行う
ことを科学技術振興機構に期待したいと激励のコメントが多かったことがとても印
象的であった.次回LIFE2014は北海道で開催され,本特別セッションも企業側の開
発リーダからの発表による展開が予告された.
目的認知機構…
人類の進化過程で、物事の目的を問うことで、その物事がこれからどのように変化してい…
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