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2024年5月27日

Augmented Humans 2024

細井 十楽(東京大学)

 2024年4月4日(木)〜6日(土)にかけて,オーストラリアのメルボルンとオンラインのハイブリッドにて,Augmented Humans 2024 (https://augmented-humans.org/)が開催された.この学会は人間拡張技術について,物理的・認知的・知覚的な方面からのアプローチに焦点を当てたものである.オフライン会場はMonash大学のCaulfieldキャンパスであった.会場の周りは温暖な気候で,辺りには自然豊かな公園があり,散歩するのにも心地よい場所であった.
 ペーパーは46件中20件(採択率 43%),ポスターは17件中13件(採択率76%)が採択された.我々の割澤・伴研究グループでは,VR会議の参加者個々人が見える環境を独立に選択できる「VR空間多重化」と,片目のみにGUIを表示することでUIの裏側を見えやすくする「視野闘争UI」の研究を発表した.Best Paperは「Real-time Slow-motion : A Framework for Slow-motion Without Deviating from Real-Time」,Best Paper Honorable Mentionは「Serendipity Wall: A Discussion Support System Using Real-time Speech Recognition and Large Language Model」,Best Poster Awardは「Aged Eyes: Optically Simulating Presbyopia Using Tunable Lenses」,Best Demo Awardは「Demonstrating VabricBeads」であった.今村らのSerendipity Wallは,大規模言語モデルとベクター検索を用いて,議論中の関連情報をリアルタイムに検索・提示する研究であり,単なる文章生成だけでなく,情報提示の議論に与える影響や情報配置などの提示の仕方についても議論しており非常に興味深かった.
 基調講演とレセプションパーティーは1日目に,デモとポスター発表は1, 2日目に,ワークショップは3日目に開催された.小池英樹教授による基調講演「Skill Acquisition and Transfer Systems with AI and XR for Augmented Human」では,技能習得の支援において必要とされていた,複雑で長大な測定環境とリアルタイムのフィードバックをAI技術によってどのように解決するかについての講演が行われた.レセプションパーティーはMelbourne Racing Clubという競馬場で行われ,3品のコース料理が振る舞われた.
 私は今回初めてAugmented Humansに参加したが,シングルセッションで全ての発表を聞くことができ,満足感が高かった.また,全体として時間に余裕のあるプログラムとなっており,昼休みを活用して突発的にラボツアー等の交流が開催され,オフラインで学会に参加するメリットを改めて感じた.
 来年度の開催地は現在検討中とのことだが,今から非常に楽しみである.

公式サイト:https://augmented-humans.org

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