HOME » ニューズレター » VRSJ Newsletter – 2023年10月号 – ( Vol. 28, No. 10 )
2023年10月25日

VRSJ Newsletter – 2023年10月号 – ( Vol. 28, No. 10 )

日本バーチャルリアリティ学会 会員各位
Newsletter 2023年10月号をお届けいたします.
=========================================================================
日本バーチャルリアリティ学会
Newsletter – 2023年10月号 – ( Vol. 28, No. 10 )
=========================================================================
https://vrsj.org/
< 内容目次 >
1. 報告集
 ◆ APMAR2023
  米山 樹里(奈良先端科学技術大学院大学)
 ◆ ヒューマンインタフェースシンポジウム2023
  長谷川 琳太(東京都市大学)
2. 学会からのお知らせ
 ◆ 主催・共催行事のご案内
 ◆ 協賛行事のご案内
 ◆ 論文誌に関するご案内
3. 関連情報
 ◆ CALL FOR PAPER
 ◆ CALL FOR PARTICIPATION
 ◆ ニューズレター編集委員会からのお知らせ
————————————————————————-
1. 報告集
————————————————————————-
+———————————————————————+
◆ APMAR2023
+———————————————————————+
米山 樹里(奈良先端科学技術大学院大学)
 15回目となるAsia-Pacific Workshop on Mixed and Augmented Reality (APMAR2
023)が,8月18日(金)から8月19日(土)が,国立台湾大学で開催された.
 Regular paper部門とPicth your work部門があり,それぞれ13件,17件,合計30
件の発表が2日間にわたって行われた.また1日目の発表後には,国立台湾大学の複
数の研究室を訪問し,デモを体験できるデモツアーが開催された.2日目は台湾のH
CI学会であるTAICHIとの共同開催となったことから,3件の招待講演が行われた.
 Pitch your work 部門は3分,Regular paper部門は5分と発表時間が非常に短い中,
コンピュータビジョン,VR,AR等,幅広い研究分野の発表が行われた.主催者によ
り開会の挨拶時に「国際会議では交流を深めて,知見を交換することに意義がある」
という事で,各発表後には質問と交流の時間が設けられた.開始当初はためらいの
雰囲気があったものの,会議が進むにつれて,会場の外で研究に関する議論が活発
に行われていた.デモツアーでは,太極拳を習得するためのARシステム,VR環境で
力覚を再現するために,コントローラに自作のモータやファンなどをつけたシステ
ムなど,幅広いデモを体験することができた.
 2日目は,Google社のEd Chi氏によって “The LLM (Large Language Model) Revo
lution: Implications from Chatbots and Tool-use to Reasoning”と題された招待
講演で開始された.2日目からはTAICHIとの共同開催のため,場内はたくさんの参加
者で賑わっていた.「LLMは言語だけでなく,それぞれの国の文化をも理解する」と
いう発表は非常に興味深かった.講演後は,ポスタ発表の時間ではあったが,台湾
のイベントということもあり,中国語のポスタがほとんどであった.その後,シン
ガポール国立大学の教授 Shengdong Zhao氏によって,”Heads-Up Computing: Towa
rds the Next Generation Interactive Computing Interaction”という題目で招待
講演が行われた.講演後,APMAR 2023の閉会式があり,Best regular paperとBest
pitch your workの表彰も行われた.APMAR 2023は以上で終了ではあったが,その
後TAICHIの招待講演として,ATLAS Institute & Computer Scienceの教授Ellen Yi
-Luen Do氏によって”Fun with Creative Technology and Design”という招待講演が
行われた.題目の通り,ロボット等の技術で楽しいこと “Fun”を創り出す研究を行
なっていた.
 2日目の夜にはBanquetも開催され,台湾,韓国,日本の学生と交流する機会もあ
った.来年のAPMAR 2024は日本で開催である.

 公式サイト:https://sites.google.com/view/apmar2023/home
+———————————————————————+
◆ ヒューマンインタフェースシンポジウム2023
+———————————————————————+
長谷川 琳太(東京都市大学)
 ヒューマンインタフェースシンポジウム2023は,9月6日~8日にかけて3日間開催
された.ヒューマンインタフェースシンポジウムは1999年から毎年開催されている
シンポジウムで,今回は25回目の開催となる.開催場所は青山学院大学相模原キャ
ンパスで,3日間にわたり,ハイブリット形式での討論発表が計30件,対面形式での
対話発表(ポスター発表とデモ発表)が計98件行われた.対話発表の会場では,従
来発表前に行われていたショットガンセッションに代わり,今回のシンポジウムで
は各発表者の用意した研究を紹介する15秒程度のショートムービーが再生されてい
た.
 討論発表は,テーマごとに分けられた最大3会場で並行して実施され,どの会場で
も活発な質疑が行われていた.また,対話発表では特に多くの聴講者が来場してお
り,発表時間中だけでなく,開始前や終了後にも発表者と聴講者が盛んにコミュニ
ケーションをする様子が見られ,会場全体が賑わっていた.筆者も1日目の対話発表
にてポスター発表を行った.これまで参加してきた学会等での発表はすべてオンラ
インで行っており,今回が初めての対面での発表だった.聴講者と対面で接するか
らこそ,頂くことのできた新鮮な意見が多くあり,対面での発表の重要性を実感し
た.
 これらの発表に加えて,近畿大学の村松秀教授による特別講演や,宇宙航空研究
開発機構の長谷川晃子さんによるミニ講演,研究に関する3種類のワークショップと
4種類の講習会,学生の交流を目的としたランチ,ヒューマンインタフェース研究の
未来を考えるタウンホールミーティングなど,多種多様なイベントがプログラムに
組み込まれていた.中でも印象的だったのは3日目に行われたタウンホールミーティ
ングで,ヒューマンインタフェース研究のこれまでの歴史と未来の展望を記した俯
瞰図を作り上げることを目的とし,参加者全員での議論が行われた.この議論では
特に,今後のヒューマンインタフェース研究のあり方や目標に焦点があてられ,教
授の先生方だけでなく,若い学生の方々からも多くの意見が集まり,議論が白熱し
ていた.
 全体を通して,発表に加えて多くのイベントが企画されていることで,会場での
対面コミュニケーションが盛んになっており,自身の研究に対する貴重な意見,他
の研究における知見,他の研究者との人脈など,得られるものが非常に多いシンポ
ジウムであると感じた.
 次回のヒューマンインタフェースシンポジウム2024は,9月18日~20日に京都大学
吉田キャンパスで開催される予定である.

 公式サイト URL:https://jp.his.gr.jp/symposium/symposium2023/
————————————————————————-
2. 学会からのお知らせ
————————————————————————-
+———————————————————————+
|◆ 主催・共催行事のご案内
+———————————————————————+
■ ICAT-EGVE2023
会期:2023年12月6日(水)~8日(金)
場所:Dublin, Ireland
https://icat-egve-2023.org/
+———————————————————————+
|◆ 協賛行事のご案内
+———————————————————————+
■ 第1回NDE4.0シンポジウム
会期:2023年10月30日(月)
場所:亀戸文化センター
http://www.jsndi.jp
■ 女子大学院生・ポスドクのための産総研所内紹介と在職女性研究者との懇談会
会期:2023年11月1日(水)
場所:オンライン開催(Zoom)
https://www.aist.go.jp/aist_j/information/diversity/events/231024_event.ht
ml
■ 第14回マイクロ・ナノ工学シンポジウム
会期:2023年11月6日(月)~9日(木)
場所:熊本城ホール
https://www.jsme.or.jp/conference/mnm2023/
■ 第25回日本感性工学会大会
会期:2023年11月20日(月)~11月22日(水)
場所:タワーホール船堀
https://www.jske.org/
■ CG-ARTS検定(後期)
会期:2023年11月26日(日)
場所:全国の高校・専門学校・大学
https://www.cgarts.or.jp/v1/kentei/
■ 第30回ディスプレイ国際ワークショップ
会期:2023年12月6日(水)~8日(金)
場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟県)
https://www.idw.or.jp/
■ 国際画像機器展 2023
会期:2023年12月6日(水)~12月8日(金)
場所:パシフィコ横浜 ホールD
https://www.adcom-media.co.jp/ite/
■ HCGシンポジウム2023
会期:2023年12月11日(月)〜12月13日(水)
場所:北九州コンベンション協会 AIM3F
https://www.hcg-ieice.org/hcg-symposium/2023
■ 第24回 SICE システムインテグレーション部門講演会
会期:2023年12月14日(木)~12月16日(土)
場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟県)
https://sice-si.org/conf/si2023/
■ インタラクション2024
会期:2024年3月6日(水)~3月8日(金)
場所:学術総合センター/一橋大学一橋講堂(東京)
https://www.interaction-ipsj.org/2024/
■ SCIS&ISIS2024
会期:2024年11月9日(土)~11月13日(水)
場所:アクリエひめじ
https://soft-cr.org/scis/2024/index.html
+———————————————————————+
|◆ 論文誌に関するご案内
+———————————————————————+
https://vrsj.org/transaction/special_issue/
■ 投稿募集中の特集 1「質感」
【募集要項】
 質感の理解は,人間が実世界を認識する情報処理や知覚のメカニズムを理解する
上で重要です.このような質感は物理的な特性と知覚の関係が複雑に絡み合う領域
であり,心理学,工学,脳科学などの異なる学問領域を統合した学際的なアプロー
チを促進してきました.これにより,質感の物理的なモデリングや質感の再現技術,
質感情報の統合など,より総合的なアプローチが可能になっています.
 質感の理解は学術的な興味だけでなく,社会的にも必要とされています.例えば,
質感は製品デザインにおいて重要な要素であり,より魅力的で使いやすい製品を設
計するための指針を得ることができます.また,質感は,消費者の行動や選好にも
影響を与えます.具体的には,商品の包装の質感が高品質であれば,商品の価値が
高いと認識され,消費者の選択に影響を与えることがあります.そのため,質感の
研究は商品デザインからマーケティング戦略まで,さまざまな分野で有益な技術と
して応用される可能性があります.
 仮想現実感(Virtual Reality; VR),複合現実感(Mixed Reality; MR),拡張
現実感(Augmented Reality; AR)においては,物理シミュレーションと質感表現を
組み合わせることで,現実のような質感の再現を実現する質感提示,機械学習アル
ゴリズムを使用して,現実の物体や材料の質感を学習し,それを基にした仮想オブ
ジェクトの質感生成,さらには,触覚デバイスや触覚センサーを用いて,仮想オブ
ジェクトの質感や触感を再現する触覚フィードバックの研究や,視覚情報や聴覚情
報,触覚情報などを同期させた,マルチモーダルな質感の統合なども試みられてい
ます.
 本特集号では,「質感」と題し,質感の解明や再現,提示,応用について論じる
研究を広く募集します.皆様の積極的なご投稿をお待ちしています.なお,言語は
日本語または英語のいずれでも投稿可能です.
【ゲストエディタ】
天野 敏之(和歌山大学)
北原 格(筑波大学)
岩井 大輔(大阪大学)
渡辺 義浩(東京工業大学)
【締切】
◆申込締切:2023年11月13日(月)
◆論文締切:2023年11月20日(月)
◆掲載予定: 第29巻2号(2024年6月末発行)
【提出先】
◆論文投稿サイト:https://mc.manuscriptcentral.com/tvrsj
【お問い合わせ】
日本バーチャルリアリティ学会編集事務局(vrsj-edit[at]bunken.co.jp)
■ 投稿募集中の特集 2「メタバースとVR」
◆申込締切:2024年2月上旬
◆論文締切:2024年2月中旬
◆掲載予定: 第29巻3号(2024年9月末発行)
————————————————————————-
3. 関連情報
————————————————————————-
+———————————————————————+
|◆ CALL FOR PAPER
+———————————————————————+
■ VR 2024
Date: March 16 – 20, 2024
Place: Orlando, USA
URL: https://ieeevr.org/2024/
Submission deadline:
– Posters: TBC
■ Augmented Humans 2024
Date: April 4 – 10, 2024
Place: Melbourne, Australia
URL: https://augmented-humans.org/
Submission deadlines:
– Full/Short Paper: January 8, 2024
– Poster/Demos/Workshop: February 12, 2024
■ Haptics Symposium 2024
Date: April 7 – 10, 2024
Place: Long Beach, USA
URL: https://2024.hapticssymposium.org/
Submission deadlines:
– Works-in-Progress: TBD
– Hands-on Demonstrations: TBD
– Transactions on Haptics Posters: TBD
■ CHI 2024
Date: May 11 – 16, 2024
Place: Hawaii, USA
URL: https://chi2024.acm.org
Submission deadlines:
– Interactivity: January 17, 2024
– Late Breaking Work: January 25, 2024
■ Ubicomp / ISWC 2024
Date: October 5 – 9, 2024
Place: Melbourne, Australia
URL: https://www.ubicomp.org/ubicomp-iswc-2024/
Submission deadline:
– IMWUT Paper: November 15, 2023
■ CSCW 2024
Date: November 9 – 13, 2024
Place: San José, Costa Rica
URL: https://cscw.acm.org/2024/
Submission deadline:
– PACM HCI Paper: January 16, 2024
+———————————————————————+
|◆ CALL FOR PARTICIPATION
+———————————————————————+
■ UIST 2023
Date: October 29 – November 1, 2023
Place: San Francisco, California USA
URL: https://uist.acm.org/2023/
■ ISS 2023
Date: November 5 – 8, 2023
Place: Pittsburgh, USA
URL: https://conf.researchr.org/home/iss-2023
■ ICAT-EGVE 2023
Date: December 6 – 8, 2023
Place: Dublin, Ireland
URL: https://icat-egve-2023.org/
■ SIGGRAPH ASIA 2023
Date: December 12 – 15, 2023
Place: Sydney, Australia
URL: https://asia.siggraph.org/2023/
+———————————————————————+
|◆ ニューズレター編集委員会からのお知らせ
+———————————————————————+
ニューズレター編集委員会では,「会議・イベント参加報告」「会員便り」「新製
品情報」を,広く会員の皆様から募集しております.
お問合せ・寄稿先:
日本バーチャルリアリティ学会事務局
office[at]vrsj.org
※ [at]を@に変換下さい.
————————————————————————-
[ニューズレター編集委員会]
<委員長> 半田拓也
<編集長> 藤本雄一郎・田辺健
<委 員> 片岡佑太・濱田健夫・藤田和之・ソンヨンア・磯山直也・平尾悠太朗
・田井中渓志・脇坂崇平・亀岡嵩幸・手嶋仁志・堀江新・青山一真
<顧 問> 柳田康幸・武田博直
————————————————————————-
発行者: 半田拓也
編 集: ニューズレター編集委員会(編集担当:濱田健夫)
発行日: 2023年10月25日
————————————————————————-