SIGGRAPH2018 展示 参加報告
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◆ SIGGRAPH2018 展示
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松浦 悠(電気通信大学)
ACM SIGGRAPH2018が,8月12日から16日の5日間にかけ,バンクーバーにて
開催された.本学会の領域はCG,インタラクティブ技術,アートなど多岐にわた
る.今回私はインタラクティブ技術のデモ展示であるEmerging Technologies(以下E-
Tech)にContributerとして参加した.
準備日である8月11日の早朝,私は展示機材を押し込めた2つのキャリーケー
スを押しながら会場のVancouver Convention Centreに入った.展示ホールにはE-
Techの他に,大規模な企業展示やアート展示が同居しており,巨大展示会として
の側面も持つ本学会の規模を,一気に実感したことを覚えている.準備を進めなが
ら,他のE-Tech Contributerの方々と議論を行うことができ,非常に貴重な時間と
なった.展示期間中は多数訪れる来場者への対応に追われてしまうため,この間に
議論ができたことは,今回の学会参加をより有益なものにしてくれた.
今回のE-TechではNear-Eye Display,ロボット,共同作業環境,触覚ディスプレ
イなど,様々な分野から24件の展示が行われた.どの展示も行列が形成され,展
示者と来場者の活発な議論が行われ,大変な賑わいを見せていた.私は水面の反射
を利用し,素手で空中映像をすくい上げることを可能にする”FairLift”を展示した.
体験した来場者には装置の内部を見せて表示原理を説明していたが,異なる文化圏
の来場者からの反応は様々で,興味深かった.中でも,ある来場者が「魔法を解か
ないでくれ!」と言いながら,内部を見ずに帰ってしまったことが特に印象に残っ
ている.
E-Tech展示の中でBest in Showを獲得したのは,ノースカロライナ大学とNVIDIA
のプロジェクトである「Steerable Application-Adaptive Near-Eye Displays」であった.
この技術は光造形3Dプリンタを利用して光学素子を作ることで,特定のアプリケ
ーションに特化したシースルーNear-Eye Displayの設計を可能にする技術である.
デモ展示では,人の姿という複雑な形状を造形した光学素子をセットしたNear-Eye
Displayを体験することができた.
来年のACM SIGGRAPHは,7月28日から8月1日の5日間にかけロサンゼルス
にて開催予定である.
https://s2018.siggraph.org/