HOME » 学会参加報告 » ASIAGRAPH 2017 参加報告
2017年5月25日

ASIAGRAPH 2017 参加報告

+———————————————————————-+
|◆ ASIAGRAPH 2017 参加報告
+———————————————————————-+
孫 煜倩(東京大学)
 ASIAGRAPH 2017は,4月22日から4月24日にかけて3日間,台湾の高雄において開
催された.ASIAGRAPHではアジアのデジタルコンテンツの発展を目的としてアジア
各地から研究者が集まり,先端技術の発表や作品の展示を行う.また,期間中にア
ジアの文化を体験することで結果として技術や芸術の発展に寄与することを目的と
している.2004年から毎年開催され,台湾の高雄での開催は今年が初めてである.
 今回の国際会議では,基調講演1件,論文発表7件,ポスタ発表6件がワークショ
ップやギャラリートークと並行して実施された.国際会議の前日には台北のMOCA
Taipeiで河口洋一郎先生によるオープニングレセプションが個展の公開と同時に行
われた.
 基調講演は国際会議の2日目に行われ,洪一平教授 (National Taiwan
University) が招待された.洪教授は”VR/AR for Revitalizing Cultural
Heritage”と題して講演を行い,その中でVR/AR技術を用いた重要文化財の展示や再
現方法について紹介した.また,そのほかに教授自身の趣味である太極拳において
いつでもお手本が見えるよう360度にお手本を設置したアプリケーションを参加者
が実際に体験し,大盛り上がりとなった.
 2日間を通して3セッションの論文発表及びポスタ発表が実施された.論文発表で
は追体験による外科手術のトレーニングシステムの提案や見知らぬもの同士のコミ
ュニケーションの促進を目的としたプロジェクションマッピングによるアート作品,
そしてポスタ発表では2つの360度カメラを使用することで運動視差を考慮した立体
画像の取得する研究等が紹介され,研究分野は多岐にわたるものであった.また,
これらの発表以外にCG Art and Performance, JST/MOST ICT-Workshop, Art
Gallery Talksが一般公開されるという充実した内容であった.ICT-workshopでは,
JSTとMOSTの連携として本年度より開始された日台共同研究の枠組みが紹介され,
超高齢社会における高齢者のためのICTの活用に関して議論された.CG Art and
Performanceでは,国立台湾芸術大学の学生によるアニメーション作品をはじめと
して,様々なアート作品が披露された.また,Art Gallery Talkでは学生CGコンテ
ストにおける受賞作品の紹介を通して近年のアジアでのCG作品の傾向・展開につい
て発表された.最終日には文化体験としてThe Pier-2 Art Centerの見学が実施さ
れた.
 次回のASIAGRAPHの詳細な日程や開催場所は未定であるが,今後公式サイトで告
知される予定である.
https://sites.google.com/view/asiagraph-2017/

Category: 学会参加報告