3DUI 2017 参加報告
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|◆ 3DUI 2017 参加報告
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今 悠気(電気通信大学)
今年で12回目の開催となるIEEE 3DUI(IEEE Symposium on 3D User Interfaces)
が3月18日,19日の2日間に渡り開催された.昨年と同様に今年もIEEE Virtual Re
ality(3月18日〜22日)と併設される形での開催となった.シンポジウムは米国西海
岸ロサンゼルス郊外にあるManhattan Beach Marriottでにて開催された.
シンポジウムでは,1件のKeynote,15件のLong Paper,14件のTechnote,27件の
Poster,2件のLate-Breaking Poster,7件の3DUI ContestがIEEE VRのTutorialやW
orkshopと並行して行われた.本年度のLong Paperの投稿数は47件,採択率は32%で
あり,Technoteの投稿数は41件,採択率は34%であった.また,Long Paper及びTec
hnote全体としての採択率は33%であった.
二日目のKeynoteでは東京大学の暦本純一氏の”Internet of Abilities: Human
Augmentation, and beyond”と題する講演が行われた.講演では氏の多くの研究をビ
デオと共に紹介し,人間とコンピュータの現在と未来についての話が行われた.特
に笑顔をトリガーとしてインタラクションするHappinessCounterの紹介の際には会
場中を笑いの渦に包み込んでいた.
Long Paper及びTechnoteは,Visualization and Tracking,3D Interaction,Ev
aluation,Haptics,Navigation,Gestures,Augmented Realityの7セッションに
ついて発表が行われ,29件の最新の研究成果が発表され,活発な議論が交わされて
いた.Best Paperに選ばれたのはKhrystyna Vasylevskaらによる”Towards Effici
ent Spatial Compression in Self-Overlapping Virtual Environment”であった
.この研究は,実世界でのスペースを節約することを目的としたVR空間圧縮レイア
ウトに関する研究である.本研究では,VR空間上に一部が重ねられた状態で設置さ
れた2つの部屋を接続する廊下のデザインを複数用意し,ユーザがVR空間を歩いた
際の2つの部屋の位置に関して評価していた.
また,Best Technoteに選ばれたのはJoan Sol Rooらによる”Towards a Hybrid Sp
ace Combining Spatial Augmented Reality and Virtual Reality”であった.こ
の研究は実世界に設置した物体とVRとARを組み合わせたインターフェースに関する
である.本研究ではHTC Viveを用いてユーザがVR空間とインタラクションを行った
際に,実世界の物体に対してプロジェクションマッピングによるAR表示を行うこと
でVR空間でのインタラクションが実世界にも反映されるというものであった.
来年のIEEE 3DUIはドイツ・ロイトリンゲンにて,例年同様IEEE Virtual Realit
yと併催される予定である.
http://3dui.org/