HOME » 学会参加報告 » インタラクション2016
2016年4月1日

インタラクション2016

+———————————————————————-+
|◆ インタラクション2016
+———————————————————————-+

竹腰 美夏 (首都大学東京大学院)

 2016年3月2日〜4日の3日間,インタラクション2016が開催された.例年までの会
場はお台場にある日本科学未来館であったが,今年は皇居外苑の北の丸公園内にあ
る科学技術館にて開催され,都心部からよりアクセスしやすくなった.
 本シンポジウムでは,18件の一般講演,221件のインタクティブ発表が採択さ
れ,3日間に分けて口頭発表・デモ展示が行われた.また開催期間の2日目には研
究者同士の交流を目的として,女性限定イベントWomen’s Luncheonや,館内パー
クレストランにて懇親会も開催された.最終日の3日目には,株式会社CEREVOの代
表取締役CEO岩佐氏による招待講演があった他,一般公演発表とインタクティブ発
表の一般公開も実施され,特に会場内に賑わいを見せた.
 優秀な発表論文には賞の授与が行われた.プログラム委員会により一般講演から
選定されるベストペーパー賞は,”みまもメイト:家族介護者のための介護記録用
Webアプリの開発とその効果”が受賞した.患者家族へのインタビューに基づいた
ユーザ中心の開発プロセスが非常に興味深く,介護とコミュニケーションについて
深く考えさせられる発表であった.また,インタラクティブ発表の中から選定する
インタラクティブ発表賞は,プログラム委員会による審査から8件,来場者による
一般投票から5件に授与された.前者8件は,革新的なインタラクション研究の方向
性を示し今後の情報処理分野での発展に寄与する優秀な発表であること,後者5件
は,今後のインタラクション研究に一石を投じうる魅力的な発表であることが評価
基準とされ推薦される.受賞論文タイトルは公式サイトで見ることができる.
 ちなみに筆者は今回初めてインタラクティブ発表に参加した.本シンポジウムの
インタラクティブ発表の最大の特徴は,発表者と来場者との双方向的なコミュニケ
ーションを重視しているところである.自己の発表や他者の展示を通し,多様なバ
ックグラウンドをもつ学生や研究者達とディスカッションすることによって,専門
分野をより深く掘り下げると同時に多面的な視点から自身の研究を俯瞰する機会に
もなり,非常に密の高い時間であった.ビギナーの学生にも是非挑戦してもらいた
いシンポジウムである.なお,インタラクション2016の発表論文一覧や開催内容詳
細は公式サイトに公開されている.

【公式サイト】
http://www.interaction-ipsj.org/2016/

Category: 学会参加報告