DCExpo 参加報告
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|◆ DCExpo 参加報告
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古山佳和(東京大学)
2015年10月22日から4日間,Digital Content Expo(DCExpo)が日本科学未来館で開催された.今年で8回目を迎えたDCExpoは,デジタルコンテンツ技術をテーマとして扱うイベントであり,CG,VR,UIなどのコンテンツの根幹となる技術が紹介される.
プログラムの一つであるInnovative Technologies 2015は,コンテンツ産業の発展への貢献が期待される研究を紹介するものであり,公募により集められた技術の中から20件の最新技術が採択された.以下に,私が個人的に興味を惹かれた展示をいくつか紹介する.東京大学 染谷研究室で開発された「布地に印刷で作る伸縮性筋電センサー」は,布の上に回路パターンを印刷することができる特殊な導電性インクの技術である.布を伸縮させたり,ねじったりしても回路パターンが断線されない特徴があり,スポーツや医療など様々な場面での活用が期待される.こちらは,Industry, Humanの二部門で審査員特別賞を受賞するという快挙を成し遂げていた.日本電信電話株式会社による展示「変幻灯」は,特別な光のパターンを対象物に投影することで,錯覚によりあたかも対象物が動いているように見せる技術であり,クラゲの画像が泳いでいるように見えたり,ラーメンの模型から湯気が出ていたりと,動きが生じているように見えた.東京大学 石川・渡辺研究室で開発された「るみぺん2」は,高速カメラと高速プロジェクタを適切に制御することで,移動物体に追従可能なプロジェクションマッピングを実現した.展示ではボールに地球などの映像をプロジェクションしており,ボールを転がしたりバウンドさせたりしても,ぴったりボールの上に映像が重畳されている様子が観察できた.
私の所属する篠田・牧野研究室では「視触覚クローン」を展示した.これは隣に座った人と触覚を伴ったコミュニケーションを実現する装置であり,隣に座った人の空中3次元像を目の前に再構成し,この像に触れると,触れた人と触れられた人の両方に触った感覚がフィードバックされる.国籍,年齢,老若男女問わず,多くの人に体験していただくことができ,様々な感想を聞くことができる貴重な経験となった.
DCExpoでは他にも,「スポーツを変えるコンテンツ技術」が今年のテーマであったFeatures 2015,様々なコンテンツ技術を体験できるContent Technology Showcase,海外の技術動向の紹介を行うInternational Programなどのプログラムがあった.来年も同時期に開催されると予想されるので,ぜひ参加したいと思う.
Digital Content Expo
https://www.dcexpo.jp/
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