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2022年10月25日

UbiComp 2022

内海壮一朗(神戸大学)

 今年のUbiComp/ISWCは,9月11日から15日の5日間にかけて,アメリカのアトランタ大学とイギリスのケンブリッジ大学の2か所で開催され,オンラインからも参加が可能であった.UbiComp (ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing) はユビキタスコンピューティング分野に関するトップカンファレンスであり,ウェアラブルコンピュータ分野に関するトップカンファレンスであるISWC (ACM International Symposium on Wearable Computers) と併催されている.11日と15日にはWellCompやEarCompなどを含む7つのワークショップが開催され,本会議は12日から14日までの3日間開催された.
  本会議では,IMWUTよりUbiCompの発表が208件あり,そのうちリアルタイムの発表はアトランタで50件,ケンブリッジで34件,バーチャルで84件であった.ISWCからは24件 (Short paper: 19件,Brief paper: 5件) の発表があり,採択率は37.5%であった.これらの発表は4つのパラレルセッションに分かれて行われた.
 筆者が最も印象に残った研究は,Yan Heらの「Frisson Waves: Exploring Automatic Detection, Triggering and Sharing of Aesthetic Chills in Music Performances」である.この研究では,音楽を聴いて感動したときなどに生じる鳥肌感覚を誘発したり聴衆間で共有したりすることで新たな音楽体験を可能にするシステムを提案していた.個人的に音楽好きということもあり,最もシステムを体験してみたいと思った発表でもあった.
 筆者はケンブリッジにて会議に出席し,ISWCのShort Paper「A Wearable Device That Makes You Blink When You Should Blink」について登壇発表した.これは,まばたきを適切なタイミングで誘発するウェアラブルデバイスに関する研究である.国際会議での発表は初めてで緊張したが,参加者や座長の方に興味を抱いてもらうことができ,結果として自信につながる良い経験となった.
 来年のUbiComp/ISWCは2023年10月8日から12日にかけてメキシコのカンクンにて開催される予定となっている.

https://ubicomp.org/ubicomp2022/
https://iswc.hosting2.acm.org/iswc22/

Category: 学会参加報告