Eurohaptics 2020
森崎 汰雄(東京大学) 9月6日から9月9日にかけ,オランダのLeidenにて触覚研究に関する国際会議, Eurohaptics 2020(以下,EH2020)が開催された.EHは例年6月に開催されて いるが,本年はCOVID-19の影響により9月に延期された.開催9回目となる EH2020では,111件の投稿から34件が口頭発表,26件がポスター発表として採択 された.また,20件のdemo, 45件のwork-in-progressが採択され,4件の keynote,5件のworkshopが行われた. 今年は現地参加が困難な参加者らのために,ZoomやSlackなどオンラインでも 併催された.今年度に現地開催を行った会議はほとんど無いが,多くの発表者が現 地参加していたようである.ソーシャルディスタンスに配慮し,かつ盛り上がって いる会議の様子がTwitterに多く投稿されていた(残念ながら筆者はオンライン参 加であった).オンライン参加の場合,口頭発表の対象者は事前に発表動画を録画 し,提出する形式であった.口頭発表の様子は当日ストリーム配信され,発表者は 自身の動画が流れた後zoomで質問に解答した.ポスター,デモ発表の参加者は, slackでそれぞれのチャンネルが作成され個別に議論が行われた.現地で掲示され たポスターとデモの配信は行われなかった. 口頭発表のセッションは,「Vibration」,「Interaction」, 「Perception」,「Exploration」,「Surface Haptics」,「Mid- Air」,「Wearable」で構成された.Best Paper AwardはCavdanら の”From Hate to Love: How Learning Can Change Affective Responses to Touched Materials”が選出された.この論文では、触感に 対して抱く感情(快/不快)が,後からの学習で変化しうるかが検証された.結果と して,ネガティブな画像を見ながらgranular materialsを触ることで、 granular materialsへの印象が有意に変化することが明らかになった. 次のEHは2022年,ドイツのハンブルクで開催される.筆者は今回が初めてのEH であったため,現地参加できなかったことが非常に心残りであった.EH2022で は,ぜひ現地に行き,様々なデモを体験するとともに多くの研究者と議論を行いた い. 公式サイト:http://eurohaptics2020.org/
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