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2018年4月25日

TEI 2018 参加報告

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|◆ TEI 2018
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藤井 樹里(慶應義塾大学)
 2018年3月18日から21日にかけて,TEI2018がスウェーデン・ストックホルムのKT
H ROYAL INSTITUTE OF TECHNOLOGYで開催された.今回で12回目となる本会議は,T
UI (Tangible User Interface) や身体性に基づくインタラクション,ユーザエク
スペリエンスに関する学会である.今年のテーマとして,“Post-Digital Design”
が設けられ,より身体やマテリアルを中心としたインタラクションについて焦点を
当てた会議となった.TEIは,登壇発表,デモ,ポスター全てが一律ペーパーとし
ての投稿という手法を取っている.今年は投稿数130本のうち37件の採択数(採択
率28%)であり,それぞれ登壇発表やデモ発表など様々な形態で発表された.
 開催された4日間で37件の投稿がそれぞれの共通するテーマのセッションごとに
発表された.それぞれのセッションは,1.Shape Changing and Moving Interface,
2.Shape Changing Textiles and Interactive Materials, 3. Toy, Talk and Play,
4. Sensing in Virtual and Augmented Realityであり,テーマに対応したデモセ
ッションやアートトラックも開催された.
 本会議全体で感じられた特徴は,新しい技術やデバイスに関する発表のみならず,
リサーチのためのツールとしてのテクノロジーといった切り口の発表が多かったこ
とだ.特にTUIを日常のより具体的な問題解決に対して利用した研究が多かった.
例えば授業での子供の注意を惹くためのタンジブルインタフェースの利用とその効
果の報告などである.これらの流れからTUIに関する研究がデモとしての提案のフ
ェーズから実応用のフェーズへとシフトしていっている様子が感じられた.
 またHCIの技術をデザインツールとして用いてユーザーリサーチを行うといった
発表が多くみられた.具体的には今年のベストペーパーであったLED以外の手法で
の通知発信方法に関するデザインスタディ論文が挙げられる.ツール化するにあた
り既存研究をより一般ユーザ向けに使えるようにする取り組みなども見られた.テ
クノロジーが研究開発の中で循環するのではなく,デザイナーと協業することで新
たな価値を見出しているのではないか.
 筆者はデモセッションにおいて形状色彩変化するShape Changing Displayの発表
を行った.実際にデモをすることでイメージを正確に伝えることができ,活発な議
論を交わすことができた.議論の中から新たな視座を得ることができ,多くのもの
を得られた発表となった. 
 次回のTEI2019はアメリカ・アリゾナ州のテンペで開催される予定だ.次回のテ
ーマはHybrid Materialである.
https://tei.acm.org/2019/

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