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2011年8月25日

HCI International 2011 参加報告

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|◆ HCI International 2011 参加報告
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田中 貴紘(東京農工大学)

  HCI International 2011は,2011年7月9日から14日にかけてフロリダ州オーラン
ドにあるHilton Orlando Bonnet Creekにて開催された.今回のHCI International
は,ヒューマンインタフェースシンポジウム(ヒューマンインタフェース学会)や
4th International Conference on Virtual and Mixed Realityなどの10件の会議と
ジョイントで開催され,6日間の開催期間中には,世界67カ国からの4,000を超える
応募の中から採択された,1318件の口頭発表と232件のポスター発表が行われた.
公式プログラムによると,1,800名を超える参加があった模様である.
  基調講演は,メリーランド大学教授で,全米技術アカデミーのメンバでもある
Ben Shneiderman氏による"Technology-Mediated Social Participation: The Next
25 Years of HCI Challenges"であり,YoutubeやTwitter,Facebookを挙げ,災害
応答やヘルスケア/ウェルネス,エネルギー事業などの国家の最優先事項に対し,
今後ソーシャルメディアを活用していく可能性について言及されていた.
  HCI Internationalでは,多くのセッションが連日行われていたが,著者はHCI・
HRIに関連したセッションを中心に参加した."Conversational Robots in HCI"と
題されたセッションでは,人とヒューマノイドロボットやアバタとの会話に関する
研究について紹介された.例えば,"An Experimental Study of the Use of
Multiple Humanoid Robots as a Social Communication Medium"では,駅に設置し
たペアのロボットと駅利用者とのコミュニケーションを分析しており,また,
"User Modeling through Unconscious Interaction with Smart Shop"では,店舗
全体を一つのロボットと捉え,顧客情報の扱いから個人ユーザへの推薦等のサービ
スを行うシステムが報告されていた. "Communication Enhancement"セッションで
は,対面での複数人会議の記録を,発話音声と映像に加え,参加者の視線の移動か
ら発言に対する態度を推定し,併せて記録する"Multimodal Conversation Scene
Analysis for Understanding People's Communicative Behaviors in Face-to-Face
Meetings"などの報告がなされた.著者も作業中の忙しさを推定し,情報提示タイ
ミングやユーザ同士のスムーズなインタラクション開始を支援するエージェント
"Interaction Mediate Agent based on User Interruptibility Estimation"につ
いて報告させて頂いた.また,"Embodied Interaction and Communication"セッシ
ョンでは,身体性を持ったアバタを用いたコミュニケーション研究に関する報告が
され,会話活性度推定に基づく,頷きを利用した仮想聴衆システム"A Virtual
Audience System for Enhancing Embodied Interaction Based on a Conversational
Activity"などの報告がなされた.
  HCI Internationalにて発表される内容は,非常に広範囲の研究領域をカバーし
ており,普段は参加することのない分野に関しても聴講する機会が得られ,短期間
ではあるが非常に密度の濃い日々を過ごすことができた.なお次回は,2013年にラ
スベガスで開催される.
関連サイト:http://www.hcii2011.org/
Category: 学会参加報告