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2015年7月29日

3次元画像コンファレンス2015 参加報告

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|◆ 3次元画像コンファレンス2015 参加報告
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山本紘暉(東京大学)
 2015年7月9, 10日の2日間,海洋研究開発機構・横浜研究所の三好記念講堂で
「3次元画像コンファレンス2015」が開催された.1993年に発足し,今年で23年目
を迎える3次元画像コンファレンスは,3次元画像の表示や処理などに関わる研究発
表の場とであると同時に,社会的側面から3次元画像の応用について議論する場と
なっている.
 今年のプログラム構成は招待講演,特別企画(ホログラフィ),5つの口頭セッ
ション,そしてポスターセッションからなっていた.口頭発表は19件,ポスタ発表
は12件であった.招待講演は7件あり,うち3件が特別企画内のものであった.
口頭セッションは「評価」「立体ディスプレイ」「ホログラフィックディスプレ
イ」「ディジタルホログラフィ」「アルゴリズム」に分かれていて,ポスター
セッションではデモ展示も行われていて,研究のシステムが体験でき,その場で議
論が重ねられていた.
 特に今年はホログラフィに関する講演・発表が多かった.筆者が参加した昨年に
比べ,ホログラフィに関する発表が増えていた.5つの口頭セッションのうち2つが
ホログラフィのものであること,ホログラフィの特別企画がプログラムにあること
からも委員会の力の入れ具合が推察される.筆者はホログラフィの専門ではないも
のの,発表や講演によって多くの知見を得ることができた.ホログラフィの研究者
にとってはより専門を深められるものだったと思われる.
 筆者が気になった研究として,長原一准教授による「招待講演 S-4 フォーカス
スイープ フォトグラフィ(Focus sweep photography)」を紹介する.フォーカスス
イープとは,全焦点画像を得る方法としてカメラで画像を撮影するとき,カメラセ
ンサを動かすという考え方である.センサを動かすことで,焦点面が通った空間で
はPSF(Point Spread Function)がカメラからの距離によって変わらず,PSFの逆
演算を行うと焦点のあった画像が得られる.光学系と画像処理の合わせ技である.
講演内ではこの原理を発展させたいくつかの研究例も紹介されていた.全焦点画像
と通常の方法で撮影したボケ画像から深度がわかるDepth From Defocusへの応用
や,センサのRolling Shutterを利用した斜めにピント位置が合った画像の撮影な
ど,思いもよらないカメラの利用法に筆者の好奇心がくすぐられた.

公式サイトURL:http://www.3d-conf.org/
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