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2014年12月25日

ACE 2014 参加報告

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|◆ ACE 2014 参加報告
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小泉直也(東京大学)
 2014年11月11日~14日にかけて,ACE2014(11th International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology)が,ポルトガルの誇るリゾート地である,大西洋に浮かぶマデイラ島のフンシャルのVidaMar Resortで開催された.学会会場はオーシャンビューの静かなホテルで,温水プールやビリヤード場,スポーツジムなどを併設したリゾート施設だった.
 今回のACEでは口頭発表が33件,Creative Showcaseが11件,ポスター発表が21件あった.また,Keynote が3件と Plenary talkが2件あり,大変充実した内容であった.特にKeynoteの一つはクロスモダリティ研究の第一人者であるオックスフォード大学のCharles Spence教授による食とモダリティに関わる最新の知見の紹介があり,本学会のメンバーであれば誰もが興味を持ったであろう内容が紹介されていた.
 本年度のGold Paperは東京大学のSuzukiらによる”Affecting Tumbler: Affecting our flavor perception with thermal feedback”であった.これは食事時の鼻部温度の変化を踏まえて設計された温度提示ツールによって,味の感じかたに対してどういった変化を生じさせられるかについて調べたものであった.Silver Paperは東京大学のHamanakaらによる”Aibiki: Supporting Shamisen Practice with Adaptive Automatic Score Scroll”であった.これは三味線用の楽譜に対応した自動スクロールのしくみであり,三味線特有のテンポの変化などに対応できるツールであった.発表では実際に三味線を演奏しながらシステムの説明を行い,拍手喝采を浴びていた.Bronze PaperはAthanasios Vourvopoulosらの”RehabCity: Design and Validation of a Cognitive Assessment and Rehabilitation Tool through Gamified Simulations of Activities of Daily Living”であった.これはオンラインゲームによる認知症対策の研究であった.
 Creative Showcaseと呼ばれるデモンストレーションは2時間程ポスターと同時に開催された.Gold Creative ShowcaseはUniversity of MinhoのLuis Fragaらによる”Meet The Frumbles – A Post-Digital Toy Orchestra”であった.ぬいぐるみ型のロボットを使ったオーケストラをユーザーが指揮棒で指示するというものであった.発表者がギターを持ってきて,ロボットと一緒に楽しそうに歌っていた点が印象的であった.Gold Posterは電通大のMasahiro Kogeらによる”Haptic Bed: Bed-style Haptic Display for Providing Weight Sensation”であった.これは,ベッドの上に誰かが乗っているかのような感覚を提示するシステムである.ポスターだけではなく実演展示も行っており,大変好評を博していた.
 次回のACE2015は,マレーシアのイスカンダルにあるレゴホテルで開催が予定されている.また次々回のACE2016は大阪で開催される予定であることもアナウンスされた.
http://www.ace2014.info/

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