第14回VR医学会学術大会 参加報告
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|◆ 第14回VR医学会学術大会
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丸谷宣史(立命館大学)
第14回日本VR医学会学術大会は2014年9月13日に東京大学本郷キャンパスにて開
催された.大会では,「シミュレータ,シミュレーション」「ラーニング,訓練」
「ナビゲーション」「システム開発」の4つのセッションからなる19 件の一般演
題の発表と,東京大学の廣瀬通孝先生による「VR技術のいまとこれから」,東京女
子医科大学の正宗賢先生による「拡張現実感による手術ナビゲーション」と題した
2件の特別講演が行われた.
「シミュレータ,シミュレーション」セッションでは,脳動脈瘤クリッピングシ
ミュレータやモバイル端末向け脳神経走行偏位の可視化シミュレータ,腹腔鏡下手
術シミュレータ,呼吸機能検査シミュレータといった様々な場面におけるシミュレ
ータ開発報告だけでなく,実時間シミュレーション手法のような基礎的内容を網羅
した報告がなされた.「ラーニング,訓練」セッションでは,認知トレーニングの
ためのErrorless Learningに着目したシステム開発,聴診訓練システム,膝関節の
3次元動態計測といった,技術習得におけるVR技術利活用についての報告がなされ
た.
「ナビゲーション」セッションでは,LeapMotionを用いた術中指示システムやプ
ロジェションマッピングを利用したナビゲーション,術野から目視できない臓器や
血管等の情報を投影するARシステムといった,最新の機器やVR技術を取り込んだ術
中ナビゲーション手法の報告がなされた.「システム開発」セッションでは,腹腔
内手術向け多視点カメラシステムや口腔歯学教育用患者ロボット,リハビリタスク
向けの持続的注意の馴化検出法,微細手術の血管吻合タスクの自動化といった,医
療分野に対する情報技術の新たな方向の貢献が期待される研究報告がなされた.
特別講演では,廣瀬先生からはVR技術のこれまでの進歩として,Lifelogの側面
からのVR技術の紹介を皮切りに今までの研究の紹介があったうえで,将来の高齢化
時代に向けての技術展開といった非常に面白く,示唆に富んだ講演がなされた.ま
た,正宗先生からはAR手術ナビゲーションについて,撮像装置に連動したシステム
開発の話から,タブレットPCでの利用といった臨床応用展開等,開発から運用・継
続に関する興味深い講演がなされた.
今回の大会でも,臨床応用の面ではまだ課題は残るものの,VR技術と最新の医療
技術との相性の良さが改めて感じられた.今後の幅広い医療分野との連携により面
白い研究報告が増えていくことが期待できる大会だったように思われる.
【日本VR医学会】http://www.jsmvr.umin.ne.jp/conference/
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