EC2014 参加報告
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|◆ EC2014
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磯山直也(神戸大学)
エンタテインメントコンピューティング2014が2014年9月12日〜14日の3日間,明
治大学 中野キャンパスにて開催された.
12回目となる本催しは「遊ぶか,遊ばれるか」というテーマで,口頭発表が41件
(含ショート発表),デモ発表が49件,その他にAugmented Sportsのデモも行なわれ
た.
本年度の論文賞に選ばれたのは本報告者である磯山らによる「観客参加型演劇
YOUPLAYにおけるインタラクション設計」.YOUPLAYとは通常演劇などでは観る側
の観客が,そのイベントの演者として参加し与えられた役を演じ,その場で演じら
れた動きに即してインタラクティブな演出を行い,演じる楽しさを味わってもら
う.本論文では,開催するに当たっての演出設計や本番での出来事・アンケート結
果について報告した.
13日のデモ発表賞を受賞した「VR環境における浮遊感体験装置」はOculus Rift
を使ったものだったが,本年の特徴としてOculus Riftをはじめとする没入型HMD
を使った発表が多く見られた,また14日のデモ発表賞を受賞した「自然な笑顔を撮
影するカメラ」は,展示場にて活発な議論が行われていたのも印象的だった.口頭
発表賞を受賞した「平均文字は美しい」のデモ展示が行われ実際に文字を書いて体
験することができた.
なお、招待講演は当初シークレットとなっており,講演者が実行委員長である宮
下准教授であることが発表されたところから,特別企画として予告されていた参加
者みんなを巻き込んだ遊び「Organized Game」が開始された.本ゲームはユニティ
・テクノロジーズ・ジャパン合同会社の簗瀨洋平氏がゲームデザインを担当され.
実世界上で,参加者全員を巻き込む,といった設計が難しいものに,見事に巻き込
まれ非常に楽しむことかができた.
さらに,6年後の東京オリンピックを見据えた未来のスポーツを体験できる
「Augmented Sports」が催された.体育館にて5件のデモ発表があり,終了後には
スポーツと技術に関するパネルディスカッションが行われた.デモは,従来のスポ
ーツを簡略化しどこでもできるようにしたもの・拡張し新たな楽しみを得られるも
の,これまでにない全く新しいもの等,新しい技術が加わることによる今後のスポ
ーツの発展が期待できるものであった.
「Organized Game」と「Augmented Sports」は今回の新しい試みであったが,大
いに盛り上がり,発展も期待できたため,今後も定期開催されることが望まれる.
【EC2014ホーム】http://ec2014.entcomp.org
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