SIGGRAPH 2013 -Technical Papers- 参加報告
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|◆ SIGGRAPH 2013 -Technical Papers- 参加報告
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山岡潤一(慶應義塾大学)
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会
議・展示会であるSIGGRAPH2013が,2013年7月21日から25日の5日間に渡り,アメリ
カ・アナハイムのコンベンションセンターで開催された.技術論文発表を行う
Technical Papersでは,投稿数480件から採択された115件(採択率24%)とTOG
(Transaction of Graphics)に掲載された論文31件,計146件の発表が行われた.37
のセッションにそれぞれ4件程度の発表が割り当てられ,質疑応答を含む約30分の
口頭発表が行われた.セッション内容は,CGにおけるモデリング,ライティング,
流体シミュレーションや画像処理,音響,インタラクティブシステムなど多岐に渡
っていた.中でも今年は3Dプリンタなどの工作機械を用いたデジタルファブリケー
ションのためのソフトウェアやアルゴリズムが多く発表された.
University College Londonの研究グループは,プロダクトデザインにおけるラ
フスケッチから,立体形状のモデリングデータ生成,形状の操作や移動アニメーシ
ョンを生成できる技術Interpreting Concept Sketchesを提案した.ラフスケッチ
の線をカーソルでなぞるだけで立体データを生成できる直感性や,矢印の形をした
ハンドルによってパーツの移動が簡単にできるインタラクティブ性がある.
Disney ResearchのComputational Design of Actuated Deformable Characters
は複数の素材を扱える3Dプリンタを用いて,曲げたい部分のみ柔らかい素材の造形
物を作成可能な技術である.キャラクタなどが変形する二次元アニメーションから,
関節部位の範囲をコンピュータが計算し,関節部を柔らかいゴム・その他を硬い樹
脂に分けることで,手足を自由に可動できるフィギュアが造形できる.また同様に
3Dプリンタを用いた技術として,Computational Design of Mechanical Characters
はキャラクタのモデルデータとモーションパスを指定することで歯車などを用いた
メカニカルな機構を自動で計算し,からくり人形のような造形物を生成する技術で
ある.動きのタイミングを変化させると歯車の形状が自動的に変更されたり,モー
タを内蔵することでロボットの機構としての応用が可能である.
今回の参加で,これまでのSIGGRAPHで発表されてきた画面上のCGのモデリングや
アニメーションのアルゴリズムを,実世界のプロダクトを設計するための技術に発
展させる時代の流れを肌で感じることが出来た.
次回のSIGGRAPH 2014はカナダ・バンクーバーで開催される.
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