HCII2013 参加報告
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|◆ HCII2013 参加報告
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永井佑樹(東京大学)
2013年7月21日から26日にかけて,アメリカ・ラスベガスのMirage Hotelにて
Human-Computer Interaction International (HCII) 2013が開催された.HCIIでは,
アクセシビリティ,ソーシャルコミュニケーション,ゲーミフィケーション,VR・
ARなど,HCIに関する多様な分野について研究発表がなされる.開催15回を数える
今回は,70ヶ国から5210件の投稿があり,1666件のペーパーと303件のポスター発
表が採択された.264のセッションでそれぞれ5~7件の発表が行われ,約2300人が
参加した.以前までは隔年の開催だったが,今回から毎年の開催となる.パラレル
セッションでは多くの興味深い研究発表が行われたが,特にその中の2件について
紹介する.
1つ目は,「Gamification @ Work」セッションでのKumarによる「Gamification
at Work: Designing Engaging Business Software」である.「Player Centered
Design」と呼ぶ概念を提唱し,特に企業運営におけるゲーミフィケーションの課題
と方法論についてまとめていた.ゲーミフィケーションについては,事業内におい
て力を入れているオラクルのメンバーによって構成されるセッションもあり,活発
に議論が行われた.
2つ目は,「Design for Individual Differences」セッションでのZhouらによる
「A Qualitative Study of Older Adults’ Acceptance of New Functions On
Smart Phones and Tablet」である.高齢者がスマートフォンやタブレットにおけ
る新しい機能を受け入れるかまたは拒絶するときに,彼らがなぜそのように判断す
るかを調査し要素ごとにまとめたものである.スマートフォンやタブレット上の
GoogleマップやWeb閲覧,検索などの機能について,使い方を指導した後実際に利
用してもらい,どの程度受け入れられたかとその理由についてインタビューを行っ
た.結果として,写真撮影にはデジタルカメラを使うというように,従来の機器の
代用となる機能についてはスマートフォンやタブレット上で行いたがらない傾向に
あるということだった.
今回の開催はラスベガスということで,カジノやリゾート施設を併設するホテル
内にカンファレンス会場があり,活気ある雰囲気の中で活発な議論がなされた.来
年はギリシャのクレタ島で開催される( http://www.hcii2014.org/ ).
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