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2013年3月26日

MMVR20 参加報告

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|◆ MMVR20 参加報告
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粂直人(京都大学医学部附属病院)

Medicine meets virtual reality (MMVR20) は,米国San Diego, Marriott
Mission Valley Hotelにて,2013.02.21~02.24の4日間の日程で開催された.全参
加者は300名程度,口頭発表数は71件(内17件は招待講演),ポスター発表件数は
92件であった.Long paperの投稿数101件に対して口頭発表となったのは54件であ
った.
開催期間中,午前中はPlenary sessionで,午後は三トラックに分かれての口頭
発表となる形式で行われた.各トラックは,手術シミュレーション全般,リハビリ
テーション,心理学,医学教育コース設定といった多岐にわたるトピックに対して
それぞれ数件程度づつの発表が行われるというバラエティに富んだ構成であった.
今年のSatava Awardは,アーティスト,テクノロジスト,ジャーナリスト等々多
方面の活躍で知られるAlexander Tsiaras氏に贈られた.同氏はもともとアートの
視点から人体の可視化を行なっているが,近年の取り組みとして,健康を可視化す
ることをテーマとした包括的なポータルサイト(thevisualmd.com)を運営している.
同氏の講演では,thevisualmd.comを中心として,個人の病態と取る行動の違いに
よる症状の推移を個人のシナリオに合わせてカスタムメイドで組み立てて提示する
取り組みが紹介された.事例として,個人のストーリーに基づく提示が患者の自身
の病気に対する関心を誘発し,結果的に自発的に日々健康的な行動を取るようにな
る様子が紹介された.thevisualmd.comでは,病気の理解を促すだけでなく日々の
生活にも入り込み,医療従事者と連携して栄養指導を行う機能などを提供しており,
さながら近未来型のPersonal Health Record (PHR)ともいえる.同氏は受賞に際し,
M.D., Ph.Dといった学位を取得していないにも関わらず,自由に作りたいものを作
った結果がこのような成果につながっていることに大変満足しているというコメン
トを残している.同氏のコンセプトはTED, Discovery Channel等にもすでに広く掲
載されているのでご興味のある諸氏はぜひご確認いただきたい.
本大会のデモブースで筆者の興味を引いたのは,Strategic Operationsのデモで
あった.限りなくリアルに近い臓器模型を生身の人間の胸部にベストのように装着
することで,臨場感のある救急的外科処置の訓練をするものである(写真).写真
中,横たわっている模擬負傷者は,あばれたりもがいたりもする.臓器模型自体も
ポンプにより模擬血流を発生させるなど手が混んでおり,怒号と血しぶきが飛び交
う中で若い医師がパニックを起こす様子を再現していた.筆者はVirtualというと
ついコンピュータの世界でのシミュレーションを想像してしまうが,Virtualとい
う言葉はそれだけを意味するわけではないことを,実践的なトレーニングシミュレ
ータのセットアップをみて改めて再認識した.
(参考 URL: http://youtu.be/gBZCjA3MjHM)

公式サイトURL: http://nextmed.com/

MMVR20

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