SIGGRAPH ASIA 2012 参加報告
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|◆ SIGGRAPH ASIA 2012 参加報告
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竹内祐太(慶應義塾大学)
5回目となるSIGGRAPH ASIA 2012がシンガポールのシンガポールEXPOにて,2012
年11月28日~12月1日の4日間開催された.SIGGRAPHとは,コンピュータ・グラフィ
ックスやインタラクティブ技術に関する国際会議として知られているが,SIGGRAPH
ASIAは近年それらの分野における発展が著しいアジア勢が主体となって催される国
際会議である.
本年度は前年までのEmerging Technologies,Art Gallery,Technical Paperな
どに加え,進行中の研究を発表するTechnical Briefという新しい試みがあり,以
前にも増して気鋭の研究が集まる活発な議論の場になっていた.
今年のTechnical Paper,Technical Briefの発表数は合わせて77件であった.そ
のうち特に,”Magic Lens”という研究は印象的であった.この研究は32×32の様
々な角度で配置されたレンズアレイから構成され,その下部に配置された一見意味
のない画像からレンズアレイの回転方向によってある特定の画像を提示できる技術
である.データ隠微技術としての応用が提案されていたものの多様な可能性を感じ
させる研究であった.
Emerging Technologiesでの発表は24件あり.そのうち18件が日本からの発表で
あるなど日本勢は一段と存在感を示していた.インタラクション,技術などの新し
さだけではなく,2×3D,MRsionCaseなど実生活での利用を強く意識デモ展示が多
くみられ,実生活への展開の可能性を強く感じさせた.また,Augumented
Satiety,Interactonia Balloonなどヒトの知覚から情動を操作する展示が異彩を
放っていた.
次回のSIGGRAPH ASIA 2013は,2013年11月19日~22日の日程で香港にて開催され
る.
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