ITS2012 参加報告
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|◆ ITS2012 参加報告
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竹内優介,アマロ サフィラ(東京大学)
2012年11月12日(月)~14日(水)の3日間にわたり,米国のマサチューセッツ
州,ケンブリッジのHyatt Regency Cambridge とマサチューセッツ工科大学(MIT)
のMIT Media Labにおいて ACM International Conference on Interactive
Tabletops and Surface 2012 が開催された.
本会議は主にfull paper¬e,demo,posterの3つのプログラムに分かれてい
た.採択数はそれぞれpaperが24件,noteが6件,demoが8件,posterが21件であ
り,paper¬eの採択率は昨年と比べ4%低い29%であった.
セッションは近年注目度が高い3D空間内でのインタラクション手法から始まり,
例年同様マルチタッチディスプレイ,ペンや紙を使用したインタフェースや教育現
場における実用化など多岐に渡り,当該分野の最先端の研究動向を知ることができ
た.本年のBest paperには,Martin Spindlerら(ドイツ, University of
Magdeburg)による ‘Use Your Head: Tangible Windows for 3D Information
Spaces in a Tabletop Environment’ が選出された.これはテーブルトップと紙の
投影面(TangibleWindow)を使用したインタフェースで,ユーザはこのTangible
Windowを自由に動かして,テーブルトップに投影された3Dの物体を操作することが
できる.また,投影された物体 がヘッドトラッキングにより立体的に見えるなどの
工夫がされている.高精度にモバイルの紙に投影するなど,受賞にふさわしい完成
度の高いものであった.
keynoteでは MIT Media LabのPattie Maes氏がMedia Labでの最近のインタフェ
ースの研究動向とインタフェースの歴史を語った上で,未来のインタフェースデバ
イスはよりユーザにシームレスに,生産性の高い情報を提供するべきであると述べ
た.今後のインタフェースのあり方についての示唆に富んだ講演であった.
次回のITS2013はイギリスのセントアンドリュースにて10月6-9日に開催される予
定である.
http://its2012conf.org/
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