APCHI 2012 参加報告
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|◆ APCHI 2012 参加報告
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林 勇介(大阪大学)
2012年8月28から31日までの4日間,島根県松江市のくにびきメッセでAPCHI(Asia
Pacific Conference on Computer Human Interaction)が開催された.APCHIはヒュー
マンインタラクション,コンピュータコミュニケーション技術,人間工学,社会科学
などをテーマとする学術会議であり,今回で10回目の開催となる.
今回は口頭発表が3部屋で平行して行われ,2日目の昼食後に1時間半程度ポスター
とデモのセッションが開かれた.学会参加者は256名で,26ヶ国からの参加であった.
本年度の論文投稿数は155件であり,内40件(25.8%)がLong Talk,48件(30%)がShort
Talkとして採択され,24のセッションが開かれた.また,ポスターとデモは89件が
採択された.ポスター&デモ発表は,昼食をとる会場内で行われ,また,その時間帯
には口頭発表等他の発表がなかったこともあり,大変盛況であった.筆者もポスター
&デモ発表に参加し,様々な研究領域の研究者から有益な意見をいただき,非常に勉
強になった.
基調講演は4件で,1件目はGoogle ResearchのShumin Zhai氏による,ジェスチャに
よるソフトウェアキーボードの入力方式ShapeWriteなどの新たな入力インタフェース
についてのお話であった.2件目では,立命館大学の木村朝子氏が,筆やはさみといっ
た身の回りにある物を用いた直観的なユーザインタフェースについて語られた.3件目
は慶應義塾大学の安西祐一郎氏による,ヒューマンロボットインタラクションを例に
しての認知と行動についてのお話であった.4件目では,Folkwang UniversityのMarc
Hassenzahl氏が,電話など様々な物を例にして人ためのデザインやエクスペリエンス
について語られた.
Best Paper賞を受賞したのは,University of Applied Sciences Upper Austriaの
Clemens Holzmann氏らのBuilding Interactive Prototypes of Mobile User
Interfaces with a Digital Penであった.これは,携帯端末アプリのプロトタイプ
設計に関する手法の提案で,従来の紙ベースでのプロトタイプ設計ではなく,実際の
携帯端末上でプロトタイプ設計を行うというものであった.
次回は,2013年9月29から10月1日にインドのハイデラバードで開催予定である.
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