Haptics Symposium2012 参加報告
+----------------------------------------------------------------------+ |◆ Haptics Symposium 参加報告 +----------------------------------------------------------------------+ 星貴之(名古屋工業大学) 国際会議Haptics Symposium 2012(IEEE Symposium on Haptic Interfaces for Virtual Environment and Teleoperator Systems 2012)が, 2012年3月4 日から7日にかけてカナダ・バンクーバーにて開催された.投稿総数146件 (Paper 129件,Extended abstract 27件)のうち,口頭発表40件(採択率26% ),ポスター発表50件が採択された.口頭発表はシングルセッションで行われ, 会場に用意された350席がほぼすべて参加者で埋まっていた.また投稿とは別 にデモ発表も募集され,47件のデモが会議を盛り上げた.ポスターとデモにつ いては,持ち時間各40秒のテザーセッションが設けられた. 基調講演はHsiao-Wuen Hon氏(Microsoft Research Asia)によるものであ った.インターネットや携帯デバイスの歴史を概説したのち「Hapticsのアプ リケーションは携帯デバイス,ゲーム・エンタテインメント,そして自動車に あるだろう」という提言がなされた.招待講演はHCIに関する3件(Desney Tan 氏(Microsoft Research),Patrick Baudisch氏(Hasso Plattner Institute),Ivan Poupyrev氏(Walt Disney Research))によって構成され ていた.またHaptics Symposiumが発足してからの20年間を振り返るセッショ ンも設けられ,その締め括りとして「HapticsはEngineeringとPsychologyから 始まったが,今後HCIとNeuroscienceが加わることによってApplicationと Marketsが見えてくるだろう」という展望が述べられた.質疑では 「Biomechanicsも重要ではないか」という指摘もあった.これら特別セッショ ンを通して,Hapticsという分野が様々な分野と結びつき、広がりつつあるこ とを意識させられた. 特別ゲストとして,視覚が右目5%のみ,聴覚が利かないというSven Topp氏 が参加されていた.特に触覚を介したコミュニケーションに強く興味があると いうことで,テキストと指文字によって口頭発表を聴講し,ポスターやデモを 熱心に回られていた.筆者にとっても,デモについてフィードバックをもらう ことができ,貴重な体験となった.また,地元メディアや高校生以下の子供た ちに対してデモを開放するセッションも設けられていた.堅苦しい話ばかりで なく楽しんでもらう時間があるのは,発表者の息抜きにもなるのでよいと感じ た. Best Paper Awardは”Exploring the Design Space of Programmable Friction for Scrolling Interactions”が,Best Student Awardは”Co- Location of Force and Action Improves Identification of Force- Displacement Features”が,Best Poster Awardは表面摩擦を制御するタッチ パネルと平面内での力覚提示機構を組み合わせた”ActivePaD Surface Haptic Device”がそれぞれ受賞した.Best Demo Awardは巨大楽器Carillonの感触を パッシブな機構で再現した”A Haptically Accurate Practice Carillon”, 歯科医師の手技における感触を再現した”VerroTeach: Visuo-Audio-Haptic Training for Dental Caries Detection”,触感の記録・再生を容易に行うこ とができる”TECHTILE Toolkit”の3件が受賞した.参加者の投票で選ばれる Best Teaser Awardは動画と音楽で会場を盛り上げた”User Performance in Complex Bi-manual Haptic Manipulation with 3 DOFs vs. 6 DOFs”が受賞し た. 来年はIEEE World Haptics Conference(EuroHapticsと共同)が韓国・テジ ョンにて2013年4月に開催される.基調講演や招待講演などについて提案があ れば積極的に反映するので,ぜひ連絡して欲しいとのこと.
Website: http://www.haptics2013.org
E-mail: info[at]haptics2013.org
Category: 学会参加報告
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