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2026年3月25日

SIGGRAPH Asia 2025

東京大学・小野源太

 ACM SIGGRAPH Asia 2025は,2025年12月15日から18日にかけて,香港のHong Kong Convention and Exhibition Centreにて開催された.SIGGRAPH Asiaは,コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関するアジア太平洋地域の国際会議
である.
 会議初日には,恒例のTechnical Fast Forwardが行われた.本セッションは,Technical Paper採択者が自身の研究を40秒で紹介するものであり,各登壇者が趣向を凝らしたプレゼンテーションを展開した.2025年の傾向として,3D Gaussian Splattingに時間軸方向の情報を持たせた4D Gaussian Splattingの研究が多く見られた.
 会議2日目から4日目にかけては,Art Gallery,Emerging Technologies,XR,企業展示が1つのホールにおいて行われ,最新のインタラクティブ技術やXR技術のデモを体験できた.
 Emerging TechnologiesのBest Demo in Showには,音響・立体映像・触覚を統合して記録・再生するプラットフォームである,Higashiらの「Experience Sharing Box: A Platform for Capturing, Storing, and Playback of Multisensory Memory」が選出された.また,Honorable MentionにはHamazakiらの「Enchanted Touch: Delivering Vibrotactile and Thermal Feedback Without Fingerpad Contact」が選出された.指の腹を覆わないため物体を触った際の感覚は維持されたまま,追加の振動・熱フィードバックが重畳される体験であった.Audience Choice Awardには
顔面への空気圧インタフェースを用いて硬さや粘着的な食感を提示する,Liuらの「ChewBit: Enhancing Haptic Feedback with an On-Face Pneumatic Interface for Realistic Food Texture in VR」が選ばれた.
 XR Programについては,投稿数135件に対し採択数26件,採択率が約19%と過去最大規模のセッションとなった.Best Demo in Show Awardには,視覚・音響・頭部へのタッピングを組み合わせることで頭内に感覚を生起させる,Kagamiらの「Bulb-in-Hand Initiation: An Illusory Altered In-Head Sensation via Colored Hemispheres, Audio Panning, and Head Tapping」が選出された.また,Audience Choice: Best Demo Awardには,HMDのみで歩行タイミングを認識し,それに同期して仮想移動量を増幅する,Jiaらの「CosmicStride: Space-Efficient VR
Exploration for LBE Venues」が選ばれた.
 筆者らの研究室は本会議期間中,Emerging Technologiesにおいて追加肢の制御法・融合身体による運動学習・バーチャルエージェントとのコミュニケーションに関する3件のデモ展示を行った. いずれの展示も連日多くの来場者が訪れ,対面での議論を通じて研究に対する様々な角度からの有益なフィードバックを得られた.
 次回のACM SIGGRAPH Asia 2026は,12月1日から4日にかけてマレーシアのクアラルンプールにて開催される予定である.
 ACM SIGGRAPH Asia 2025 公式サイト: https://asia.siggraph.org/2025/

 

Category: 学会参加報告

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