UbiComp2025/ISWC2025
小寺 隆太(立命館大学)
2025年10月12日から16日にかけて、フィンランドのエスポーにてACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (UbiComp) およびACM International Symposium on Wearable Computers (ISWC) が共同開催された。本会議は、ユビキタスコンピューティングおよびウェアラブルコンピューティングの分野における、最も権威のある国際会議の一つとして位置付けられている。12日と13日には、HASCAやBeyondSoundなどのワークショップが開催され、14日から16日にかけて本会議が行われた。世界各地から多くの研究者が参加し、活発な議論が交わされた。
本会議では、IMWUT (Proceedings of the ACM on Interactive Mobile Wearable and Ubiquitous Technologies) に掲載された論文を中心に、多数の研究発表が行われた。
ISWCでは33件 (Note 26件、Brief 7件) の発表が行われた。これらの発表は4つのパラレルセッション形式で進行し、各セッション後には活発な議論が展開された。
筆者が最も印象に残った研究はChixiang Wangらによる「Moat: Adaptive Inside/Outside Detection System for Smart Homes」である。この研究は、Wi-Fi信号を解析してスマートデバイスが家の内外どちらにあるかを自動判定するシステム「Moat」を提案している。スマートホームのセキュリティとプライバシー保護に直結する実用的な研究であり、特に未知のデバイス検出や不正アクセス防止に有効だと感じた。
筆者自身はISWCにてNote Paper「Estimating the Position of a Wearable Device Using Pulse Wave Peak Time Differences with a Smartwatch」を発表した。この研究は、脈波の到達時間差を利用して、ウェアラブルデバイスが身体のどこに装着されているかを推定する研究である。10分間の発表の後、2分間の質疑の時間が設けられた。
UbiComp/ISWC2026は、中国の上海にて10月11日から10月15日の日程で開催される予定である。
UbiComp2025公式サイト:https://www.ubicomp.org/ubicomp-iswc-2025/
















