UbiComp2024
宮脇 輝(神戸大学)
2024年10月5日から9日にかけて,オーストラリアのメルボルンにてACM
International Join Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing
(UbiComp)とACM International Symposium on Wearable Computers(ISWC)が共
同で開催された.本会議は,ユビキタスコンピューティングおよびウェアラブルコ
ンピューティングの分野における,トップカンファレンスとして位置付けられてい
る.5日と6日はHASCAやOpenWearablesなどのワークショップが開催され,7日から9
日にかけて本会議が開催された.
本会議では,論文誌IMWUTに採択された168件の論文がUbiCompにて発表され,
ISWCでは22件(Note 18件, Brief 4件)の発表が行われた.これらの発表は3つの
パラレルセッション形式で進められた.
筆者が最も印象に残った研究は,Runze Liuらによる「SmartDampener: An Open
Source Platform for Sport Analytics in Tennis」である.この研究は,従来の
テニス用振動止めと同じ形状のデバイスを装着することで,ボールスピードやスト
ロークのタイプなど多様な指標を測定可能とするものである.筆者自身がテニスを
続けていることもあり,特に興味を引かれた研究であった.
筆者自身はISWCのNote paper「Evaluation on Relationship between the
Useful Field of View and Presentation Method in Head-Mounted Display」につ
いて登壇発表を行った.本研究では,頭部装着型ディスプレイ(HMD)の装着や情
報提示が装着者の有効視野に与える影響を調査した.6分間の発表の後,3分間の質
疑応答の時間が設けられ,実験環境や有効視野の定義について意見交換を行った.
来年のUbiComp/ISWCは,フィンランドのエスポーにて10月12日から16日の日程で
開催される予定である.
UbiComp/ISWC2024公式サイト: https://www.ubicomp.org/ubicomp-iswc-2024/