Laval Virtual 2019 参加報告
代田兼一郎(慶應義塾大学)
LAVAL VIRTUAL2019は,4月22日から26日までの5日間,フランスのラバル市にて 開催された.企業が参加する一般部門と,スタートアップや研究機関が参加するレボリューション部門,そしてアート&VRギャラリー部門からなり,合わせて計330を超える展示と,200人を超えるスピーカーが参加するカンファレンスが行われた.AWARDにエントリーした作品のうち,総合でゴールドを受賞したのは”APOLLO MOON OPERATIONS-ORBITAL VIEWS”. 人類の月面着陸50周年を記念して,4人1チームとなり,それぞれ宇宙飛行士のオペレータや管制塔のスペシャリストになって,宇宙でのミッションを成功させるものだ.レボリューション部門リサーチカテゴリーでグランプリを受賞したのは“Telesight”. HMD装着者の視線操作と,視界を写像するマネキン型現実拡張デバイスが連動しており,VR 体験者の視点をHMDを装着していない第三者に共有することができ,各々協力してゲームを進行することができる.また同部門エクスペリエンスカテゴリーで受賞したArt Plungeも見逃せない作品のひとつだ.レオナルド・ダ・ヴィンチやフィンセント・ファン・ゴッホなど偉大な画家による名画の世界に入り込む体験ができる.一般部門では職業訓練や社内研修,工場の配管工事や建築などにVRやMRの技術を役立てる展示がそれぞれ受賞した.またアート&VRギャラリーでは,Eve dance in an unplaceable placeが選出された.ダンサーであるEveの視界をHMDを通して体験することで,体験者はダンサーの視界を手にいれることができ,バーチャルとリアルな空間を行き来することができる.LAVAL VIRTUA全体の印象としては,一般展示はVR用トレッドミルを使用し,コンテンツをアクティブに体験できることを示したものが多く,またVR体験を大空間を使って,多人数で協力しあって体験するサバイバルゲームなどが目立っていた.来客は全日程途切れることがなく,特に後半2日間は,休日ということもあり家族で訪問する人々も多くみられ,LAVAL VIRTUALの注目度の高さや,VRへの一般層からの期待の高さを実感することとなった.