VRSJ Newsletter – 2024年6月号 – ( Vol. 29, No. 6 )
日本バーチャルリアリティ学会 会員各位
Newsletter 2024年6月号をお届けいたします.
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日本バーチャルリアリティ学会
Newsletter – 2024年6月号 – ( Vol. 29, No. 6 )
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https://vrsj.org/
< 内容目次 >
1. 報告集
◆ IEEE Haptics Symposium 2024
加藤 総真(電気通信大学)
◆ CHI 2024
浜崎 拓海(電気通信大学)
2. 学会からのお知らせ
◆ 主催・共催行事のご案内
◆ 協賛行事のご案内
◆ 論文誌に関するご案内
3. 関連情報
◆ CALL FOR PAPER
◆ CALL FOR PARTICIPATION
◆ ニューズレター編集委員会からのお知らせ
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1. 報告集
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◆ IEEE Haptics Symposium 2024
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加藤 総真(電気通信大学)
Haptics Symposium 2024は4月7日から10日の計4日間, アメリカのロングビーチにある
Hotel Mayaで開催された. 本学会ではTechnical Paperとして36件 (採択率59%). Transactions on
Haptics (ToH) Short Paperとして18件 (採択率40%), Demonstrationとして28件, Work-in-Progress
として34件が採択された.
初日はCross-cutting Challengesというワークショップに相当するイベントが開催された.
本ワークショップにはFrontiers of Softness in Science and EngineeringおよびHaptics for
Impact: Consumer Value, Ethics, Diversityという二つのテーマが設定されており,
主に前者では柔らかさの知覚や提示手法について, 後者では触覚が消費者に与える価値や影響
について議論された. 各テーマに対応するキーノート講演およびポスターセッションは午前と
午後で完全に分けられており, 参加者は両方のテーマに参加することができた. ポスターセッ
ションでは実機デモを行う発表者も多く, 最先端の技術に触れ, 話を聞くことができた.
二日目以降はTechnical Paperの口頭発表や, デモ展示, Work-in-ProgressおよびToH Short Paper
のポスターセッションが行われた. 触覚の知覚や提示に関するものから医療やゲームへの応用ま
で幅広いテーマについて発表が行われた. 口頭発表では一人あたり12分の発表時間と2分の質疑
応答時間が割り当てられた. 質疑応答が2分というシビアな時間設定でありながら, あらかじめ
発表者がスタッフに資料を渡しておき, 発表用の共通のPCを用いて発表を進めることでスムーズ
な転換を実現していたのが印象的だった. デモセッションはポスターの前で実機デモを行う形式
で実施された. 非常に多くの人が参加しており, どの展示にも絶えず参加者がいる様子であった.
本セッションは計二日間に時間が設けられており, 内容は共通である. そのためデモ発表者も
一日は他の展示を見て回ることが可能であった. Work-in-ProgressおよびToH Short Paperのポス
ターセッションは屋外で行われた. こちらもまた多くの人が参加しており, 活発な議論が行われ
ていた. 私は“Presentation of a Tracing Sensation by Means of Rotation Stimuli”というタ
イトルで口頭発表およびデモ発表を行った. 本研究は回転する円板の中心に指先を接触させるこ
とで, 既存手法よりも大幅に小型なデバイスを用いてものをなぞった感覚を提示するというもの
である. 口頭発表の質疑応答では実験結果やユーザーが知覚する感覚に関する質問や考察, コメ
ントをいただいた. デモ発表では非常に多くの方に体験いただき, 提示された感覚に対するコメ
ントや今後の展望についての質問等をいただいた. なお, セッション間には小休憩が挟まれ, コ
ーヒーやクッキー, ケーキがふるまわれた.
Closing CeremonyではTechnical Paper, ToH Short Paper, DemonstrationからBest Paper
(Demonstration), Distinguished Paper (Demonstration), Honorable Mentionが一件ずつ発表され,
表彰された(順に一位, 二位, 三位に相当). Technical PaperのBest PaperにはTummalaらの
“SkinSource: A Data-Driven Toolbox for Predicting Touch-Elicited Vibrations in the Upper Limb”
が選ばれた. 本論文は接触等によって手や腕に生じる振動を予測するツールであるSkinSourceを
提案するものである. ToH Short PaperのBest PaperにはKhojastehらの“Robust Surface
Recognition With the Maximum Mean Discrepancy: Degrading Haptic-Auditory Signals Through
Bandwidth and Noise”が選ばれた. 本論文は道具を用いて表面を探索する際の触覚および聴覚データ
について, ノイズを付加し頑健性を評価したものである. Best DemonstrationにはQuinnらの“A Shape-
Changing Haptic Device for 3D Pointing Guidance”が選ばれた. 加えて, 来年のWorld Haptics
Conference 2025 (Haptics SymposiumとWorld Haptics Conferenceは毎年交互に開催される) が
韓国の水原市で開催されることが発表された.
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◆ CHI 2024
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浜崎 拓海(電気通信大学)
5月11日から16日にかけて,アメリカハワイ州のHonoluluにてThe ACM CHI Conference on Human
Factors in Computing Systems(以下CHI)2024が開催された.本会議ではHCI分野におけるトップカン
ファレンスの一つであり,参加者は3955名(現地:3264名,オンライン:691名)に上った.
開催41回目を迎える本会議は1058件のPaper(採択率26.3%),391件のLate-Breaking Work(33.8%),
77件のInteractivity(49%)が採択された.発表件数が非常に多く,20を超えるパラレルセッショ
ンで開催された.中でもAIやLLMを使用した研究が特に多く見受けられ,“AI”や“LLM”とついてい
るPaperセッションは37であった.筆者の研究領域である“Haptics”を冠するセッションが6程度で
あることからもAI研究の勢いと規模の大きさがうかがえる.13日の基調講演はKate Crawford氏が経済
をはじめとした複数の領域にわたって,現存するAIがもたらす影響について取り上げた.15日の基
調講演ではSamuel Ohukani’ōhi’a Gon氏がハワイ諸島の標高と湿度の多様性による生態学的ライフ
ゾーンの豊かさと,その可能性を多角的な視点から調査したことについて語った.
筆者はメインセッション初日の“Haptics: Force, Thermal and Tactile Feedback”にてアルコ
ールを用いた低電力な冷覚提示手法を発表した.さらにここでは筆者の研究領域の中で興味深か
ったものを2点紹介する.田中らによる“Haptic Source-effector: Full-body Haptics via Non-
invasive Brain Stimulation”では,経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて体性感覚野を刺激し,手,
腕,顎,脚といった複数の部位に触力覚をレンダリングする研究である.本研究では神経科学で
使用されていた非侵襲な脳刺激手法であるTMSを初めて触覚レンダリングに適用した試みであり,
非常に興味深いものであった.Kimらの“Big or Small, It’s All in Your Head: Visuo-Haptic
Illusion of Size-Change Using Finger-Repositioning”では回転リングを用い,指の位置を変え
ることで物体の大きさの知覚を変調させることを提案している.指の位置を変えるだけでは大
きさの知覚は変化せず,視覚的なコンテキストと組み合わせることで短い時間間隔で広範囲な
サイズ変化をレンダリングすることに成功した.また,これら2つの研究はHonorable Mention
を受賞している.
15日の夜にはJapan Nightが開催され,大学の先生方や学生,企業の方々と交流を深めた.国外
の機関に所属している日本人研究者や自分の研究領域と異なる専門分野の方々とも接し,スコ
ープの広い大規模な学会ならではの貴重な交流ができ,大きな刺激を受けた.
次回CHI2025は4月26日から5月1日の期間にパシフィコ横浜で開催予定である.CHI2021は
COVID-19の影響でオンラインのみの開催であったため,順調に進めば初の日本現地開催となる.
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2. 学会からのお知らせ
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|◆ 主催・共催行事のご案内
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■ 第29回日本バーチャルリアリティ学会大会
会期:2024年9月11日(水)~13日(金)
場所:名城大学天白キャンパス
https://conference.vrsj.org/ac2024/
■ ICAT-EGVE 2024
Date: December 1 – 3, 2024
Place: Tsukuba, Japan
https://icat.vrsj.org/2024/
■ Asia Haptics 2024
Date: October 28 – 30, 2024
Place: Sunway University, Kuala Lumpur, Malaysia
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|◆ 協賛行事のご案内
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■ CG-ARTS検定(前・後期)
会期:2024年7月14日(土), 2024年11月24日(日)
場所:全国の高校・専門学校・大学
https://www.cgarts.or.jp/kentei/index.html
■ 第52回 可視化情報シンポジウム
会期:2024年7月19日(金)~21日(日)
場所:沖縄産業支援センター
https://www.vsj.jp/symp2024/
■ 第27回 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2024)
会期:2024年8月6日(火)~9日(金)
場所:熊本城ホール(熊本県)
https://miru-committee.github.io/miru2024/
■ 第42回日本ロボット学会学術講演会
会期:2024年9月3日(火)~6日(金)
場所:大阪工業大学梅田キャンパス
https://ac.rsj-web.org/2024/
■ 第26回日本感性工学会大会
会期:2024年9月12日(木)~14日(土)
場所:タワーホール船堀(東京都)
https://www.jske.org
■ ヒューマンインタフェースシンポジウム2024
会期:2024年9月18日(水)~20日(金)
場所:京都大学 吉田キャンパス
https://jp.his.gr.jp/symposium/symposium2024/
■ SCIS&ISIS2024
会期:2024年11月9日(土)~13日(水)
場所:アクリエひめじ(兵庫県)
https://soft-cr.org/scis/2024/index.html
■ SIGGRAPH Asia 2024
会期:2024年12月3日(火)~6日(金)
場所:東京国際フォーラム
https://asia.siggraph.org/2024/
■ディスプレイ国際ワークショップ
会期:2024年12月4日(水)~6日(金)
場所:札幌コンベンションセンター
https://www.idw.or.jp/
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|◆ 論文誌に関するご案内
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■ 投稿募集中の特集 2 「人間拡張:身体・環境・こころの変容」
◆申込締切:2024年8月5日(月)
◆論文締切:2024年8月19日(月)
◆掲載予定: 第30巻1号(2025年3月末発行)
■ 今後の特集予定 1 「生活や仕事を豊かにするVR」
◆申込締切:2024年11月上旬
◆論文締切:2024年11月中旬
◆掲載予定: 第30巻2号(2025年6月末発行)
■ 今後の特集予定 2 「神経インタフェース(仮)」
◆申込締切:2025年2月上旬
◆論文締切:2025年2月中旬
◆掲載予定: 第30巻3号(2025年9月末発行)
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3. 関連情報
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|◆ CALL FOR PAPER
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■ SUI 2024
Date: October 7 – 8, 2024
Place: Trier, Germany
URL: https://sui.acm.org/2024/index
Submission deadlines:
– Paper: June 10, 2024
– Poster / Demos: August 2, 2024
■ VRST 2024
Date: October 9 – 11, 2024
Place: Trier, Germany
URL: https://vrst.hosting.acm.org/vrst2024/
Submission deadlines:
– Paper: June 17, 2024
– Poster / Demos: July 1, 2024
■ ISS 2024
Date: October 27 – 30 , 2024
Place: Seattle, WA, USA
URL: https://iss2024.acm.org/
Submission deadlines:
– Papers: July 1, 2024
■ UIST 2024
Date: October 13 – 16, 2024
Place: Pittsburgh, USA
URL: https://uist.acm.org/2024/
Submission deadlines:
– Posters: July 5, 2024
– Demos / Workshops / Doctoral Symposium: July 19, 2024
■ SIGGRAPH ASIA 2024
Date: December 3 – 6, 2024
Place: Tokyo, Japan
URL: https://asia.siggraph.org/2024/
Submission deadlines:
– Posters / Technical Communications: August 11, 2024
– Art Gallery / Emerging Technologies / XR: June 20, 2024
– Art Papers: June 30, 2024
– Birds Of A Feather / Diversity, Equity And Inclusion: September 1, 2024
– Computer Animation Festival: July 7, 2024
– Courses: July 10, 2024
– Educator’s Forum: August 7, 2024
– Real-Time Live!: August 13, 2024
■ ICAT-EGVE 2024
Date: December 1 – 3, 2024
Place: Ibaraki, Japan
URL: https://icat.vrsj.org/2024/
Submission deadlines:
– Paper: August 16, 2024
– Posters / Demos: October 4, 2024
■ ACM TEI 2025
Date: March 4 – 7, 2025
Place: Bordeaux, France
URL: https://tei.acm.org/2025/
Abstract deadline:
Submission deadlines:July 25, 2024, AoE
– Paper: August 1, 2024, AoE
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|◆ CALL FOR PARTICIPATION
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■ EuroHaptics 2024
Date: June 30 – July 3, 2024
Place: Lille, France
URL: https://eurohaptics.org/ehc2024/
■ SIGGRAPH 2024
Date: July 28 – August 1, 2024
Place: Denver, USA
URL: https://s2024.siggraph.org/
■ CHI PLAY 2024
Date: October 14 – 17, 2024
Place: Tampere, Finland
URL: https://chiplay.acm.org/2024/
■ ISMAR 2024
Date: October 21 – 25, 2024
Place: Seattle, USA
URL: https://ieeeismar.org/
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|◆ ニューズレター編集委員会からのお知らせ
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ニューズレター編集委員会では,「会議・イベント参加報告」「会員便り」「新製
品情報」を,広く会員の皆様から募集しております.
お問合せ・寄稿先:
日本バーチャルリアリティ学会事務局
office[at]vrsj.org
※ [at]を@に変換下さい.
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[ニューズレター編集委員会]
<委員長> 半田拓也
<編集長> 藤本雄一郎・田辺健
<委 員> 藤田和之・ソンヨンア・磯山直也・平尾悠太朗・田井中渓志・脇坂崇平・
亀岡嵩幸・手嶋仁志・堀江新・青山一真・中村文彦・近藤亮太
<顧 問> 柳田康幸・武田博直
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発行者: 半田拓也
編 集: ニューズレター編集委員会(編集担当:青山一真)
発行日: 2024年6月25日
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