設立趣旨
最終更新日: 2012/01/13
1996年3月15日 設立趣旨
バーチャルリアリティは,シミュレーション,エンターテインメント,芸術を始め,医療,設計・計画・評価,ソフトウエア作成,コミュニケーション,ヒューマンインタフェース,ロボット制御など極めて多岐にわたる分野において急速に展開されており,21世紀の我々の生活を支えるジェネリックテクノロジーとしての発展を期待されている.バーチャルリアリティの基礎としては,コンピュータグラフィックスを中心とする計算機科学,ロボットや機械の計測制御通信工学や情報システム科学などに加え,美術・芸術や認知心理学を始めとする人文・社会科学や,生体工学,生理学,医学があり,その意味でバーチャルリアリティは芸術と科学技術が統融合する一つの総合科学 (Science and Art) としての新しい学問分野を形成しつつある.
我ヶ国におけるバーチャルリアリティに関する研究開発も,はや10年が過ぎ, 一つの創成期を成しつつある段階に至った.最近では文部省の重点領域研究「人工現実感」が昨年発足し,通産省の国家プロジェクト「ヒューマンメディア」や先導研究「アーキューブ」が本年4月から開始されるなど学問分野として認知され,更に大きく産業分野として発展しつつあり,産業界や大学・研究機関が一つに集まった「学会」としての組織作りが望まれている.そこで,この時期に,産・官・学からなる学会,「日本バーチャルリアリティ学会(The Virtual Reality Society of Japan)」(仮称)の設立を提案する.また本学会では,論文集,ニューズレターの発行や,WWWなどの電子広報による世界への情報発信,および講演会,講習会,展示会等の開催を時期に応じて開き,広く社会に貢献するものである.