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2018年9月25日

SIGGRAPH2018 発表 参加報告

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◆ SIGGRAPH2018 発表
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大峠 和基(筑波大学)
 The 45th International Conference & Exhibition on Computer Graphics and Interactive
Techniques(通称SIGGRAPH 2018,https://s2018.siggraph.org/)は8月12日から1
6日までの4日間にわたってカナダのバンクーバーで開催された.SIGGRAPHはコ
ンピュータ・グラフィクス分野のトップカンファレンスであると同時に,世界最大
のCGの祭典としても知られている.最先端技術が集まるデモ展示Emerging
Technologies,アニメーション作品の中で世界的に高い評価を受けた作品の上映会
Electronic Theater,参加者による催し物などが企画されており,2018年度の参
加者はのべ16637人にのぼった.会場となったバンクーバーコンベンションセ
ンターは港や商業施設が隣接されており,常に多くの人で賑わっていた.
 会期初日に行われる目玉イベントの1つであるFast Forwardでは,採択された1
28件の論文が2時間の間に一斉に紹介される.今年のTechnical Papersセッショ
ンでは,世界38カ国からの464件の論文の投稿があり,うち128件が採択さ
れた.採択率は27.9%であった.分野はレンダリング,物理シミュレーション,
コンピューテーショナルフォトグラフィ,デジタルファブリケーション,深層学習
など多岐にわたり,どれも興味深いものであった.今回はその中でも特に印象に残
った研究を2件紹介する.
 ドワンゴCGリサーチのSakuraiらによる“Fabricating Reflectors for Displaying
Multiple Images”では,鑑賞者の視点によって異なる複数の画像を提示することがで
きる構造のファブリケーション手法を提案した.彼らの手法では,与えられた画像
と見せたい方向を元に微細構造を計算し,加えてUVプリンタを用いることで多視
点ディスプレイを製作した.発表のあとの休憩時間に,試作品を見ながら議論する
姿が見受けられるのもSIGGRAPHの醍醐味の1つであると感じた.
 Wangらの “Megapixel Adaptive Optics: Towards Correcting Large-scale Distortions in
Computational Cameras” では,写真の歪みを補正するための適応光学系を提案した.
彼らの手法では,普通のカメラと波面センサに加えて,空間光位相変調器を用いる
ことで,検出した歪みをキャンセルする光学系を達成した.
 僭越ながら私もWork in Progressの研究をポスター形式で発表するPosterセッシ
ョンにて発表させて頂く機会を頂いた.今回の発表では,透過型ミラーデバイスを
用いた網膜投影の光学系をポスター発表し,世界中の研究者と議論した.議論を通
じて頂いたアドバイスを元に,より研究に精を出していきたいと思う.
 なお,次回のSIGGRAPH 2019は2019年7月28日から8月1日にかけて,ロ
サンゼルスで開催される.
https://s2018.siggraph.org/

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