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2018年4月25日

IEEE Haptics Symposium 2018 参加報告

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|◆ IEEE Haptics Symposium 2018
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森山 多覇(電気通信大学)
IEEE Haptics Symposium 2018が,2018年3月25日から28日にかけて米国カリフォ
ルニア州,サンフランシスコにて開催された.本会議は,2年に1度開催されるハプ
ティックス(触覚)分野の国際学会であり,世界各地からハプティックスに携わる
研究者・技術者が集まり発表を行う.129件のフルペーパーから57件(採択率44%)
が採択され,42件のWork In Progress(ポスター発表)からは33件(採択率78%),
デモ展示が36件であった.また,IEEE Transactions on Haptics articles から37
件のポスター発表も行われた.参加者は300人程度であった.
口頭発表は2日目から始まり,口頭発表初日には1-Cutaneous Contact,2A-Contr
ol of Haptic Devices,2B-Actuation and Sensing,2日目には3-Perception and
Action,4A-Electroadhesive Surfaces,4B-Wearable Haptics,5A-Ultrasonic Su
rfaces,5B-Medicine and Neuroscience,6-Modeling and Rendering,3日目に7A-
Tactile Perception,7B-Designing Interactionsの合計3つのシングルセッション
と,4つのデュアルセッションで発表が行われた.口頭発表の1日目は触覚提示装置
のシステム構築の発表が多く,非常に小型な水冷式を採用した指先ウェアラブルデ
バイスや,磁石と磁性流体を合わせた3自由度感覚提示デバイスなど,触覚提示デ
バイスの小型化や,それに伴う工夫について多くの発表がなされた.2日目には,
テクスチャのモデリング手法や,新型のウェアラブルデバイスの提案など,触覚に
関して幅広いトピックの発表がされた.Best Paperには,Northwestern Universit
yのCraig D. Shultzらの「On the Electrical Characterization of Electroadhes
ive Displays and the Prominent Interfacial Gap Impedance Associated with
Sliding Fingertips」が選ばれた.2つの静電摩擦ディスプレイを用いて,指先の
異なる接触条件で皮膚のインピーダンス特性を定量的に調査した報告であった.ま
た,本学会最終日にはスタンフォード大学の研究室ツアーが行われた.デモ展示も
行われ,実際に装置に触れながら多くの議論を交わす事ができた.また,研究室の
雰囲気を知る大変貴重な機会となった.参加した人にとって大変刺激的なツアーに
なったであろう.
触覚関連の研究は,実際に触って体験する事が大変重要である.本学会では,実
際にデモで体験できる口頭発表も多く,研究成果やデバイスについて活発に議論で
きる特徴がある.全てのデモ展示のクオリティが高く,DCモータ一つで振動から力
まで提示していたImmersion Corporationの触覚提示デバイスなど,触覚提示装置
の小型化が目立つデモ展示内容であった.
次回のHaptics Symposium は2020年に開催予定で開催地は未定である.また,同
じ触覚に関する国際学会であるIEEE World Haptics 2019が東京で7月に開催される
予定であり,日本国内の研究者の奮起を期待したい.
http://2018.hapticssymposium.org/

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