SIGGRAPH ASIA 2016 参加報告
+———————————————————————-+
|◆ SIGGRAPH ASIA 2016 参加報告
+———————————————————————-+
梶田 創(東大)
SIGGRAPH ASIA 2016 はマカオのThe Venetian Macao にて,12月5日から12月8日
までの計4日間にわたり開催された.Emerging Technologies セッションはアメリ
カで開催されるSIGGRAPHとともに,インタラクティブなデモ発表の最高峰の場であ
り,毎年多くの発表が投稿されるが,今年採択されたのはその内15件である.Emer
ging Technologies のデモは12月6日から12月8日の計3日間行われた.セッション
はHaptics, Robotics, Displays, VR/AR の4つに分類されていた.
私たちは,”SkyAnchor: No Latency Anchoring of Mid-air Images onto
Real Objects” を発表した.SkyAnchorは実物体の動きに対して空中像の位置ずれ
が生じない光学系である.アプリケーションとしてフルーツキャッチゲームを作成
し,参加者に体験してもらった.参加者は実物のバスケットを前後左右に動かして
,空中像フルーツをキャッチする.バスケットの中に入ったフルーツはバスケット
を動かしても位置ずれすることなくバスケット内に収まる.
うまくキャッチできる参加者もいたが,一部の参加者は空中像の奥行き位置の判別
に苦労していた.
Emerging Technologies はデモだけでなくEmerging Technologies Talk という
プレゼン発表の場もある.デモスペースに併設されたプレゼンスペースで,聴衆は
20人から30人ほどであった.私たちの研究セッションであるDisplaysでは,プレゼ
ン発表の質疑よりも実際のデモを体験する方がよいというチェアの配慮で,その場
での質疑応答は必要なだけにとどめ,デモの体験時に深い議論が行われた.
以下は私が気になった発表である.
Bottomless joystickはデバイス1つでガンアクションが楽しめるデバイスであ
る.ガンアクションゲームは,ゲームセンターにあるような従来のガンアクション
デバイスは有線で大きなものだったのに対し,このデバイスはコードレスで500mL
のペットボトル大であり,個人で持ちたくなるものだった.Splatoonのようなゲー
ムをこれで遊びたいものだ.
Gushed light fieldは持ち運び可能なフォグディスプレイである.この研究で
は,制汗スプレーくらいの大きさのスプレーに水をつめ,スプレーで発射したフ
ォグに対してプロジェクションする手法をとっている.セキュリティの制限上,実
際のスプレーを使ってのデモを体験することはできなかったが,出力の弱いフォグ
装置をつかったデモを拝見することができた.視野角の制限など,紙面上では伝わ
りづらい部分を,実際に見て確認しながら議論できた.
最後になるが,スチューデントボランティアの方々には,多くの場面で助けてい
ただいた.
https://sa2017.siggraph.org/